VTuber好き『クソガキ』は女子中学生‼️

文字数 2,329文字

私の名前は桐谷桜(きりたにさくら)、中学1年生。


自分で言うのも変だけど、メチャクチャ元気な女の子!

それに比べて、高校に行かなくなり、引きこもりになった高校1年生のお兄ちゃんの直人(なおと)


私はナオ君と呼んでいる。


ナオ君はおとなしくて、優しい性格の男の子だけど、どこか女の子みたいなときもあって、私的には面白かった。


でも、ナオ君が引きこもりになって、すごく気になっていたけど、どうすれば良いかわからなくて、珍しく私は悩んでいた。


学校でイジメられてるのかな? 学校で馴染めないのかな? それとも、好きな女の子に振られてショックから立ち直れないのかな??


いろいろ考えたけど、単純な私には答えはでなかった。


そこで私は考えた! 潜入調査だ!!


ナオ君がお風呂に入っているスキをみて、部屋を物色し引きこもりの原因を見つけて、ナオ君の手助けをしたいんだ。


勝手にナオ君の部屋に入ってマズイと思う? 普通はそう思うけど私はそれをやっちゃう女の子なのです。


ナオ君の部屋は引きこもりとは思えないほど、キレイに片付いている。(私の部屋のほうがよっぽど汚い……)


机周りをなど見える範囲を探したけど、手がかりが見つからない……。


クローゼットを開けると角に小さな可愛い箱があった。


私がそれを開けてみると、ゴシックロリィタの服や金髪のウィッグなど、可愛い女の子が着そうな服やアクセサリーが入っていた。


私はその服を手に取り、数秒間考えた……ナオ君は女装してるの!?


確かにナオ君は顔は女の子みたいだし、肌も色白でキレイで性格もどちらかというと女の子みたいだけど……。


私は女装しているナオ君を想像した。


私より、メチャクチャ可愛いよ!!


なんだろう、この敗北感は……。




私がムダな妄想で時間を費やしていると、ナオ君がお風呂から上がり、部屋に戻って来た。


私は慌ててクローゼットの中に隠れ、息を潜める。


ナオ君にはバレていないみたいだ……するとナオ君はパソコンを立ち上げて、動画配信サイトの生配信を観始めた。


何を観てるのかとクローゼットのわずかな隙間から覗き込むと、狼の顔をしたイラストの生配信だった。


生配信の狼の顔が喋るとイラストの口が動く、これはVtuberってやつだと思った。


興味がなくて良くはわからないけど、配信者の代わりにイラストなどが代わりに表示されて生配信するやつだと思う。


ナオ君の様子を見ていると、すごく楽しそうに観ているみたいだった。


久しぶりにナオ君の楽しそうな姿を見て、私は嬉しかった。


生配信を観終わると、ナオ君はスマホを何やらイジり始める。

ロロ様って、本当にカッコイイなぁ〜


やっぱりボクは、あんな感じの男性が好きなのかな……

……ん……ん、ナオ君、今なんて言った? 男性が好き!?


もしかして、ナオ君って男が好きだったの!?


まさか、不登校になって引きこもりになったのも、そういうのが原因なの!?


単純な私の頭では、どうすれば良いのかわからず混乱していた。


するとナオ君はいきなり喋りだした。


しかもとっても可愛い女の子の声をだして、生配信をやっているみたいだった。


配信を観ていると、ナオ君は蛇ノ目マヨイという女の子のVtuberをやっているみたい。


その時のナオ君は本当の女の子みたいに喋り、視聴者のコメントに楽しそうに返答している。


コミュ障のナオ君が、蛇ノ目マヨイになっている時、とても明るく誰とでも仲良くなれる別人になっている。


私はそれを見て、こっちのナオ君の方が本当のナオ君なのかもしれないと思った。


よし、決めた! 私は蛇ノ目マヨイをコメントで応援して、ナオ君が元気になる手助けをしよう!!


(というか、ナオ君……トイレとかに行って部屋から出てほしい、じゃないと私……ここから出れないよ……。)




* * * * * * * 




それから私はクソガキというハンドルネームで、蛇ノ目マヨイの生配信やSNSにいろんなコメントを書き込んだ。(クソガキって変な名前なら、妹の私だとは思わないだろう。たぶん)


私のコメントに対し、蛇ノ目マヨイのナオ君は、面白がったり、戸惑ったり、ナオ君の反応が面白くて私も楽しんで書き込みをしていた。


あとはナオ君が好きな魔人ロロの方にも、生配信やSNSにコメント書き込んだりした。


でも、魔人ロロの方はナオ君を取られた感じがして、ちょっと嫌だったから変なコメントを書くことが多かったかな。




そして、とんでもない事件がいきなり起きた!




* * * * * * * 




蛇ノ目マヨイのSNSにナオ君のパソコン周りの写真が載せられた。


よく見ると、パソコンのモニターに薄っすらとナオ君の顔が映っている。


私はナオ君の秘密が誰かにバレちゃうと思って、ナオ君の部屋まで急いでいった。


そこにはなぜか、お姉ちゃんの(あかね)ちゃんもいた。


私は少し冷静になって、ナオ君に写真の事をどうやって説明すれば良いのかと戸惑っていると、茜ちゃんが自分のスマホをナオ君に見せた。

これって、ナオ君のパソコンだよね!

といきない言い出した。


どうして、お姉ちゃんがその写真を知っているの!?


私はお姉ちゃんのスマホを見てビックリした。


そこには魔人ロロのアカウントがあった!

茜ちゃんがロロ様だったの!?

魔人ロロと茜ちゃんは同一人物だった。


そして私は自分がクソガキだと二人に教えた。


なんと私達3人姉弟は、生配信やSNSで深い繋がりがあった。




* * * * * * * 




それからの蛇ノ目マヨイと魔人ロロは、生配信などでコラボをして、ハンドルネーム『クソガキ』の私が面白いコメントをだし、それを二人が取り上げるというのが定番になった。


そして、リアルの方でも3人は仲良くなっていった。




それからまもなく、ナオ君は久しぶりに学校へ登校しました。

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