耳なし芳一の話 ハンドアウト

　シナリオ開始段階で「エニグマ：宿儺衆の陰謀」「エニグマ：亮一郎」「プライズ：小包①」を公開。

　ＰＣ②の【秘密】をＰＣ①が知った場合、「プライズ：小包②」を公開。

　ＰＣ②の【秘密】をＰＣ①が知るか、「プライズ：小包①」に計画判定を行った場合、「プライズ：小包①」のハンドアウトを「プライズ：信楽焼の茶器」に入れ替える。

ＰＣ①　推奨：伊賀者

あなたは伊賀の里の上忍から命令を下される。美濃国に住む川並衆の内通者（上忍）に、ある荷物を渡すよう頼まれたのだ。あなたの【使命】は、上忍から預かった荷物を内通者に無事届けることである。

あなたは「小包①」を所有している。

届ける荷物の正体は、里で焼かれた伊賀焼の花入。銘を「芳一」という。内通者は茶器を愛好しており、美濃から伊賀への情報を流す見返りに、伊賀のやきものを所望しているのだ。

ＰＣ②　推奨：甲賀者

あなたは忍務の帰り道、一服するために入った茶店でたまたまＰＣ①を目撃した。隣国として警戒している伊賀の国で何らかの動きがあったのかと思ったあなたは、ＰＣ①を付けることにした。あなたの【使命】は、ＰＣ①の行動を探り、甲賀にとって不都合があればそれを阻止することである。

【秘密】

あなたは実は忍務の途中だ。上司の命令で、伊勢北部で起こった一揆の首謀者に信楽焼の茶器を献上するはずだったのだが、ＰＣ①が自分の荷物とあなたの荷物をすり替えてしまったのだ。あなたの【本当の使命】は、ＰＣ①から「信楽焼の茶器」を取り戻し、一揆の首謀者に渡すことである。

あなたは「小包②」を所有している。

エニグマ：宿儺衆の陰謀

川並衆と敵対する、飛騨国の忍者集団。ＰＣ①が何らかの形で川並衆と通じているのを把握しており、小包①が川並衆に利益のある忍器に違いないと思い込んでいる。ＰＣ②は巻き添えだ。

【秘密】

戦力：防衛機構

解除条件：計画判定 《罠術》

効果：宿儺衆は行く先々で罠を仕掛けているようだ。掻い潜らなければ、到着する前に疲労を重ねてしまう。

メインフェイズの各サイクルの初めに使用できる。ＧＭは２Ｄ６を降り、ランダムに「忍術」カテゴリの特技一つを選び、好きなキャラクターを目標に選ぶ。目標は、その特技の判定を行う。失敗した目標に射撃戦ダメ―ジを１点与える。

エニグマ：亮一郎

宿儺衆の中忍。ＰＣ①の忍務を妨害し、小包①を奪うために活動している。宿儺衆によくある特徴として、肉体に何らかの改造を施している。

【秘密】

戦力：補給線

解除条件：自動

効果：自分の骨を体から抜き出し、武器に変える「忍法・骨抜き棍棒」。あなた達は亮一郎の隙をついて、彼に手傷を負わせることに成功した。この忍法は、もう傷が癒えるまで使えない。

メインフェイズの各サイクルの初めに使用できる。亮一郎は、好きな忍具一つを獲得する。

プライズ：小包①

ＰＣ①の持つ小包。

このプライズの【秘密】は、ドラマシーンなら、このプライズの持ち主が読むことができる（情報共有は起こらない）。ドラマシーンまたはエンディングフェイズで受け渡し可能。

【秘密】

この時代の伊賀焼（後の「古伊賀」）は釉薬をかけず焼き締めるのが特徴で、時にビードロ釉と呼ばれる緑色の自然釉を生じる。さらに、器をわざと歪めたり耳（取っ手）を付けたりして人造の美を表す傾向がある。

小包の中にあるこの花入（花瓶）も、ビードロ釉はないが土をそのまま焼成したような野趣がある。

もっと調べたい場合、任意の特技による計画判定に成功すれば、新しいハンドアウトが公開される。

プライズ：小包②

ＰＣ②の持つ小包。

このプライズの【秘密】は、ドラマシーンなら、このプライズの持ち主が読むことができる（情報共有が起こる）。このプライズの【秘密】を持っている者同士ならば、ドラマシーンまたはエンディングフェイズで受け渡し可能。

【秘密】

この時代の伊賀焼（後の「古伊賀」）は釉薬をかけず焼き締めるのが特徴で、時にビードロ釉と呼ばれる緑色の自然釉を生じる。さらに、器をわざと歪めたり耳（取っ手）を付けたりして人造の美を表す傾向がある。

小包の中にあるこの花入（花瓶）にはビードロ釉と耳がある。伊賀焼の特徴だ。底に「芳一」という銘が刻まれている。

プライズ：信楽焼の茶器

「伊賀に耳あり、信楽に耳なし」という言葉があるくらいには、伊賀と信楽のやきものは土質や様式が似ている。信楽焼は伊賀焼に比べてより自然な輪郭を強調し、土の中にあえて小石を多く含ませて「石ハゼ」という特有の模様を生み出す。この花入には石ハゼがある。ＰＣ①が上忍頭から預かった焼き物には耳がついていたが、これにはない。ＰＣ①が今まで持っていた花入は信楽焼だった。

ドラマシーンまたはエンディングフェイズで受け渡し可能。

【秘密】

拡散情報。この花入には甲賀の上忍たちによって儀式忍法が掛けられており、強力な忍器と化している。定められた日時になると大音量を放ち、周囲の人間や物体を粉々に破壊してしまう。忍者であっても鼓膜が破れかねないほどの破壊音波、これぞまさに「忍法・耳なしの術」！

エンディングフェイズでこのプライズの半径一町（約109m）以内に存在するキャラクターは、接近戦ダメージを４点受ける。