第7話 爪切り合戦

文字数 516文字

爪切り…。それは人間にとっても猫にとっても命がけの戦いである。
「ミケー、そろそろ爪切ろう。」
爪切りされる気配を察知し、すばやくオイラは隙間に逃げ込む。
すかさずご主人が逃げ込んだオイラを捕まえる。
「いやだー!離せ―!」
ジタバタと逃げ出そうとするが、ご主人も負けていない。死に物狂いで抜け出そうと暴れるオイラを必死に抑える。
「待つんだご主人!話し合おう!」
必死にご主人に訴えかけるが、ご主人はそんなオイラの言葉を聞いてくれない。
「ちょっとだけ我慢してー。お願いミケー。」
オイラにもわかる。オイラの鋭い爪は、ご主人の柔らかい肌を傷つけてしまう事くらい…。だがそれとこれとは違うのだ!オイラにも心の準備と言うのが必要なのだ!
しかしそんなオイラの叫びもむなしく、オイラの爪はすべて丸く切られてしまった…。
「今日もご主人に負けたのだ…」
寝床でふてくされていると、ご主人がオイラの好きなおやつを片手にやってきた。
そんなものでオイラの機嫌を取るつもりか…。だがしかし、今日という今日は許さないぞ。
頭ではそんなことを考えていても、おやつを前にしては体は勝てないのである。
むにゃむにゃと文句を言いながら、今日もおやつを綺麗に完食したオイラなのであった。
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