第8話  猫集会

文字数 693文字

猫の気まぐれで開かれる猫集会。開催を決定するのは、猫たちのボス”カンパチ”である。
いつかの猫集会では、カラス達と熱い戦いを繰り広げたこともあった。
とある夏の昼下がり、今日も猫たちは集まる。

「カンパチさーん!こんにちはー」
ルンルンとご機嫌な様子で現れたのは、ミケである。ここ最近は、雨が降り続きなかなか外に出ることが出来なかったため、外に出られたのが嬉しいようである。
「カンパチさん、こんにちは」
次に現れたのは、ダイコンである。この間猫集会で見た時よりも、さらに立派な体型になっている気がする…。
続々と猫たちが集まってくる。
「お集まりいただき感謝する 今日もみんなで思う存分語り合ってくれ」
カンパチが声を掛けると、みんな各々近況報告などをし始めた。
「カンパチさんのご主人にこの前魚貰いましたよー!」
声をかけてきたのはミケだ。こいつはよく俺の家に現れては、ご主人から魚を貰っている。
「そうか、ご主人が選ぶ魚は上手いからな」
いつか鯛と言う魚を食べてみろ、と言うとミケはキラキラとした目をしながら聞いていた。

時間はあっという間に過ぎる。ワイワイと話していたが、気づけば夕暮れ時。
町の方を見ると点々と明かりが灯り始めていた。どこからか、美味しそうな匂いがする。
「今日の集会はここまでだ 解散」
俺の一言で集会はお開きになり、猫たちはみな帰っていった。
俺も自分の家に帰る。玄関の前で帰ったぞーと言うと、ご主人が出てきて中に入れてくれた。
「今日は珍しくどこかに行っていたんだね。何してたんだい?」
ご主人が俺に尋ねてきた。
「秘密だ」
俺はそう答えた。
猫集会は猫だけの集会。決して人間には知られてはいけない。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み