第1話 オイラの1日

文字数 746文字

「行ってきます。」
ご主人が今日も朝早くからバタバタと出掛けて行った。オイラはそんなご主人を玄関で見送った後は、再び寝床に戻りひと眠りする。
眠りから覚めた後は、オイラ用の扉から出ていき、猫集会のある大きな樹の下まで歩いていく。道中でいつも魚をくれるニンゲンが、今日も魚をくれた。それを食べて再び歩き始め、大きな樹の下に着くと既に何匹か他の猫が来ていた。
隣の家の”シロ”、八百屋の”ダイコン”、裏の家の”ハチワレ”。みんないろんな名前でニンゲンから呼ばれている。ちなみにオイラは三毛猫だから”ミケ”。
今日もいつも通り猫集会で他の猫たちと最近会ったことを報告し合っていた。しかし、オイラ達の頭上であいつらの声がした。あいつらと言うのは、黒い鳥”カラス”のことだ。あいつらは最近オイラ達の猫集会の場所を横取りしようとしている。
今日も懲りずにやってきたようだ。今日こそ決着をつけなければと、ボスの”カンパチさん”がカラス達に飛び掛かった。カラス達も今日は反撃してきたが、オイラ達も加勢して戦った。みんな毛をむしられたり、かすり傷を負ったりしたけれど、カラス達に勝つことが出来た。
カラスの親分をボスが捕まえたら、「二度と来ないから」と言ったので、ボスは放してやった。
あいつらが帰っていった頃にはすっかり日は沈みそうになっていたので、みんなご主人が帰ってくる時間だとそれぞれ家に帰っていった。
オイラも家に帰って、カラスとの戦いの疲れを癒すために眠りについた。
夜になりドアの開く音がして、ご主人が帰ってきた。ご主人はいつも通り「いい子にしていたかい。」と聞いてきたので、オイラは今日の出来事をご主人に話してやった。
ご主人は「お腹が空いたのか」と言ってご飯を用意してくれた。今日もご主人のくれるご飯は美味しい。
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