第12話  秋の便り

文字数 414文字

そよそよと窓から涼しい風が入ってくる。
少し前までは、1日中ムシムシとした暑さで常にひんやりとした場所を求めていたオイラ。
ご主人が出かけている間、オイラのために”くーらー”という四角い箱から涼しい風が出てくるようにしていてくれていたが、あれは素晴らしい。
あの箱の近くにいれば、オイラにまとわりつくうだるような暑さが消えていくのだ。
しかし、最近は涼しくなったので”くーらー”がつけられることも減ってきた。
この前はご主人が”おつきみ”というものをしていた。何でも空に浮かぶ月を見て楽しむらしい。ニンゲンはたまに不思議なことをする。月なんていつも空に浮かんでいるのに。
不思議そうな顔をしていたのがわかったのか、ご主人は「丸い月を楽しむんだよ。綺麗だよね。」と教えてくれた。
何やら一緒に白くて丸い食べ物も食べていたが、残念ながらオイラは食べられないらしい。
代わりに、いつものおやつをもらうことができた。
”おつきみ”というのもいいものだな。
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