第6話 八百屋の看板猫

文字数 686文字

とある商店街の八百屋の店先で、我が物顔でくつろぐ1匹の猫がいた。
名前は”ダイコン”。この八百屋の看板猫である。

どうもダイコンです。ボクはここのお店の猫です。一応、看板猫としてやらせてもらってます…。
とは言え、ただお店に置いてあるボク用の寝床で寝ているだけなんだけどね。
毎日、たくさんの人がお野菜を買いに来るんだ。いろんな人がいるから、見ていてとても面白い。ボクの飼い主さんと同じくらいの歳の人や、腰の曲がったおばあちゃん、小さい可愛い女の子とお母さん。
みんなお野菜を買って帰るときに、僕の頭も撫でてくれる。
ボクがここにいるだけでみんなニコニコ笑顔になってくれるのが一番嬉しい。
お店は夕方になると閉められて、夜になると家の中で飼い主さんたちと一緒にご飯の時間。
家族みんなで食べるご飯は世界で一番と言ってもいいほど美味しい。
1人で外で生きるのに必死だった時には想像もつかなかったことだ。そこら辺の草や虫を食べたり、人間が捨てたごみの中から食べられそうなものを漁ったりもした。
ずっと外で暮らしていたんだけど、ある日人間に捕まえられちゃって他にもボクみたいな猫がいっぱいいる場所に連れて行かれたんだ。ボクは今後どうなってしまうのかとずっと不安で怖かった。そこでは、毎日ご飯ともらえたのだけれどそれがとても美味しかった!
こんな美味しいご飯があるのかと驚いた。それ以来、食べることが大好きになった。
しばらくその場所で過ごした後、今の家に連れてこられたというわけ。
今ではすっかり家族の一員になりました。
明日もお店にいるので、ぜひ遊びに来てくださいね。たまに猫集会でいない日もあるけど…。
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