【滝夜叉姫と妖魔の内裏編】第7話 ピンチ!! 封印された江ノ島ビームの巻(後編)
文字数 10,494文字
第7話 ピンチ!! 封印された江ノ島ビームの巻(後編)
〈登場人物〉
役ついな(一四歳)……本名・如月ついな。方相氏(鬼退治師)。CV:門脇舞以。
前鬼(ぜんき)……ついなちゃんのお供その①(赤いぬいぐるみ)。セリフはピコピコ音。
後鬼(ごき)……ついなちゃんのお供その②(青いぬいぐるみ)。セリフは無し。
江ノ島さんぽ(二十代前半)……神奈川県・藤沢市江ノ島のご当地キャラクター。CV:藤沢愛。
ヨットマン(三〇歳)……物語冒頭で亡霊に襲われる。
モウネン……江ノ島独自の海の亡霊。ハンザキに利用されている。台詞は呼吸音。
店員(四〇歳)……たこせんべい屋の店員。さんぽちゃんの知り合い。
水族館のお姉さん(二十五歳)……江○島水族館のお姉さん。イルカショー担当。
滝夜叉姫……千年の眠りから復活した鬼姫。平将門の娘。ファザコン幼女。CV:門脇舞以。
ハンザキ……滝夜叉姫のお供その①(大山椒魚の妖怪)。セリフは吠え声。
夜叉丸・蜘蛛丸……滝夜叉姫のお供その②③。姫の側近のイケメン妖怪。
※「N」=ナレーション
▶︎【鬼っ子ハンターついなちゃん】ボイスドラマ 第7話(後半)ボイスドラマ
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▶︎解説トークコーナー「門脇舞以と大辺璃紗季のドルルゥッのコーナー! 第7回(後半)」
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ついなN
『鬼っ子ハンターついなちゃん』、
「滝夜叉姫と妖魔の内裏編」第7話
ピンチ!! 封印された江ノ島ビームの巻!
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【滝夜叉姫のアジト】
(SE:水滴の音。荘厳なBGM。ごごごご……)
滝夜叉姫
「──ふふふふ……、ハンザキはうまくやっておるようぢゃの、夜叉丸よ……」
夜叉丸
「はっ!」
滝夜叉姫
「……古来より江ノ島は、江ノ島弁財天と五頭龍(ごずりゅう)の力に護られた聖なる土地──。
我が妖魔の内裏建造計画のためには、是が非でも除かねばならぬ要害……」
夜叉丸
「ははっ!」
滝夜叉姫
「ついなの奴と江ノ島の小娘が、何やら嗅ぎ付けたようぢゃが……、
うふふふ…、なぁに此度の作戦は水も漏らさぬ完璧な企て……。
今さら覆ることはない──」
夜叉丸
「御意!!」
滝夜叉姫
「さぁ──、我が『江ノ島沈没作戦』の総仕上げをしようかのぉ……、
あはッ、あはははッ、あーーーーはっはっはっはっはっ……!!!」
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【午後・江ノ島沖】
(SE:風の音。遊覧船べんてん丸のエンジン音。船が波を切る)
さんぽ
「見えてきた……!
あの辺りが海難事故の現場だよ、ついなちゃん──…!
あそこにきっとモウネンの秘密がある筈……。
どう、ついなちゃん何か感じる!?」
ついな
「………………うっ……、こ、これは……っっ……──うっ!」
さんぽ
「うっ……?」
ついな
「──……う〜〜っ、船酔いしたぁっ……うげぇっぷ!」
(SE:コケッ☆)
さんぽ
「だっ、だだだ、大丈夫!?」
ついな
「あう〜〜〜…、うげっぷ、ウチ乗り物酔いすんねん……うぷっ!」
さんぽ
「わ、何か受けるもの受けるものっっ……!!?」
モウネン
「シュォ〜! シュォ〜…! …はい」
さんぽ
「あ、ありがと! ちょうど良かった、この柄杓で!」
ついな
「うっぷ、おおきにぃ………って、柄杓???」
さんぽ
「………あれっ?☆」
モウネン
「シュォ〜! シュォ〜…!!」
さんぽ
「………モウネン……さん???」
ついな・さんぽ
「わっ、わっ、わっ、出たぁ〜〜〜〜〜っっ!?!?!?」
ついな
「ハワワ、ユ、ユーレーめっっ!
こ、こっ、こーなったら、手早く倒すでっっ!?
厄難災禍悪疫即祓(はらい)、邪気病魔凶きそく…そくうっぷ…、うげぇぇぇえぇっっ…!」
さんぽ
「あわわわわ、どうしよう〜〜〜!!」
ついな
「さんぽちゃん、後は任せた……で……っ──…」
(SE:がくっ)
さんぽ
「しょ、しょーがない、ここは私がやらせていただきます……っ!
…え、えっ、江ノ島……ビーームっ!!
(SE:カッ! しばし間。………ヘニョヘニョへにょ……ぽふん)
──────…あ、やっぱり駄目みたい☆」
ついな
「何やねんッ、そのもやしみたいなビームはぁ〜〜っっっ!?」
(SE:びしっ!)
さんぽ
「ほらぁ〜、江ノ島ビームは不調気味だって言ったでしょ〜〜〜っっ!?」
(SE:ブクブクブク……、ゴボゴボゴボゴボ!!)
ついな
「わ、船に水が入ってきたで!?」
さんぽ
「ふ、船が沈んじゃう!?」
(SE:ゴボゴボゴボ!!)
モウネン
「シュォ〜! シュォ〜…!!」
ついな・さんぽ
「わわわわっ、わ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっっ!!?」
(SE:ざばーーーーーーんっっっ!! ゴボゴボゴボゴボ……)
モウネン「シュォ〜、シュォ〜………」
(SE:静かな波の音。カモメの鳴き声)
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【江ノ島沖・海の底】
(SE:ブクブクブク……幻想的なBGM)
ついなN
その昔──、武蔵国と相模国の国境……、
今の神奈川県鎌倉・深沢の地に、大きな湖があって、
五つの頭を持つ巨大な龍「五頭龍」(ごずりゅう)が住んでいたという……。
さんぽN
五頭龍は洪水を起こし、山を崩し疫病を流行らせ、ありとあらゆる悪事をなした。
村の長者は一六人の子供たち全員を龍に呑まれ、そのため、その付近の土地は、
子の死の越(こえ)、「子死越」(こしごえ)と呼ばれるようにすらなった……。
ついなN
そんなある日、子死越前方の海に天変地異が起きた。
時は、欽明天皇一三年……、西暦五五二年四月一二日のこと。
大地震が十日も続き、やがて揺れが収まると、海に一つの島が出来ていたという。
さんぽN
江ノ島だ。
そして天から美しい天女が姿を現し、15人の童子を引き連れ、
五色の雲に乗り、生まれたばかりの江ノ島の地に降り立った。
これが江ノ島弁才天である。
ついなN
一部始終を見ていた五頭龍は、天女の美しさに感じ入り、天女に求愛した。
さんぽN
けれど天女は龍の悪行を理由に求婚を断り、江ノ島の洞窟に引き篭もった。
ついなN
諦め切れぬ五頭龍は心を入れ替え、人々を護ることを天女に約束した。
以来、龍は日照りには雨を降らし、台風には体を張ってはね返し、大波からは陸を守った。
さんぽN
天女はそんな五頭龍のひたむきさに心を許し、ついには求婚を承諾した。
以来二人は、力を合わせて江ノ島の平和を守ったという。
しかし──…
ついなN
無理を重ねた五頭龍の身体は日々衰えていった……。
死期を悟った龍は、自分は死しても常しえに島を護ると天女に告げ、
江ノ島の対岸に横たわり山となった。
さんぽN
それが現在の片瀬山である。
龍の口にあたる場所は、「龍口」(たつのくち)といい、
現在も龍口明神社(りゅうこうみょうじんじゃ)という神社が鎮座ましましている──……
ついな・さんぽN
これが、江ノ島の縁起である。
(SE:ブクブクブク……幻想的なBGM)
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【江ノ島沖・海の底】
(SE:ブクブクブク)
モウネン
「シュォ〜! シュォ〜……!」
ついな
「……んっ…ん……。ん〜…?」
【※気絶から目覚めるついなちゃんとさんぽちゃん】
さんぽ
「……はっ! モ、モウネン…さん……?」
モウネン
「シュォ〜……シュォ〜……!」
ついな
「…え、モウネン!?
くっ、ウチらを海底に引きずり込んでどうする気や…!?」
(SE:ばっ! ちゃきっ!:武器を構える音。ブクブクブク…)
さんぽ
「ついなちゃん、待って!
モウネンさんは何かを伝えたいみたい…!!」
ついな
「……何やて…!?」
モウネン
「シュォ〜……シュォ〜……!」
(SE:ごそごそ…)
さんぽ
「何かを懐からとり出して…こちらに手渡そうとしてる……。
モウネンさん、それはなに……?
キラキラしてる……」
ついな
「何やこれ…? 何かの鱗……??
はて、どっかで見たような……わっ!!」
ついなN
その鱗を手に取った瞬間、ウチとさんぽちゃんの頭の中に、モウネンの言葉…、
いや、思いが、ドドッと奔流のように伝わってきた……。
さんぽN
モウネン達は、人に危害を加えることを望んでいない──……。
自分達は海の底で静かに眠っていた。
けれど数ヶ月前のある日、突然、サンショウウオのお化けのような怪物がやって来て、
江ノ島の海底に穴を掘り、自分達の永遠の眠りを破ったのだ。
以来、自分達は眠れない──。
ついなN
気が付くと、ウチとさんぽちゃんの廻りに50人程のモウネン達が集まっていた。
皆、骸骨のような顔に、ウチらに何か期待をかける風な表情を浮かべている。
さんぽ
「モウネンさん達は、この事を江ノ島の人達に、何とかして知らせたかったのね…」
ついな
「でも海の亡者であるモウネン達は、船を沈める以外のやり方を知らない。
それで近くを航行するヨットを海底に引き込んでいた訳か……」
モウネン
「シュォ〜……シュォ〜……!」
ついな
「自分達は、ただただ眠っていたい…。海の底で静かに眠りたいのだ、……か。
よっしゃ、この方相氏・役ついな、アンタらの気持ちはよぉく分かったで……!!」
さんぽ
「そうね、ついなちゃん…! その…サンショウウオの怪物とやらを退治して、
モウネンさん達を今度こそ安らかに眠らせてあげましょう!」
モウネン
「シュォ〜! シュォ〜、シュォ〜……!」
さんぽ
「……えっ!?
怪物は穴を掘り進め、今や江ノ島から本土にまで達している?
アレはとてつもなく邪悪なことを計画している……ですって?」
ついな
「いったいその計画って……何や──……!?」
モウネン
「──シュォ〜……、シュォ〜!!!!!!!!
さんぽ・ついな
「え……!?
…えッ、『 江 ノ 島 沈 没 作 戦 』!!??」
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【午後・江ノ島の街】
(SE:どかーん! ちゅどーん!!)
(バトル系BGM)
住人(男)
「怪獣だぁ〜〜〜っっ!!!!」
住人(女)
「きゃぁ〜〜〜〜〜!!!!!」
(SE:ガヤ)
ハンザキ
「ぐおおおおお〜〜〜〜〜〜っっっ……!!」
(SE:どかーん! ごごごごっっ)
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【江ノ島沖・海の底】
(SE:ブクブクブク)
モウネン
「シュォ〜……シュォ〜……!」
ついな
「怪物は、聖地江ノ島の地下に流れる龍脈を捻じ曲げようとしとる、やて…?
そんな大それたことを、どうやって──!?」
モウネン
「シュォ〜! シュォ〜、シュォ〜……!」
さんぽ
「えっ、江ノ島の龍脈とどこか他所の龍脈をバイパスでつなげて、人為的に、
エネルギーを集中、天変地異を起こし、江ノ島の沈没を目論んでるって……!?
……ついなちゃん、これは──ただ事じゃ済みそうにないね…!」
ついな
「ああ、さんぽちゃん──。
ウチらがその企みを阻止せんと…エラい事になるな!!」
さんぽ
「でも……、怪物の正体と目的地が分からないと、手の打ちようが……」
ついな
「正体は見当ついとるで!
ハンザキっていう、カエルの幼虫のばけもんや!
けど目的地の方は──……」
モウネン
「シュォ〜! シュォ〜……!!」
さんぽ
「え、モウネンさん、目的地が分かるの!?」
ついな
「そ、その場所は……!?」
モウネン
「シュォ〜!!」
さんぽ・ついな
「──ふ、富士山っ!?」
ついな
「江ノ島から富士山って何十キロも離れとるやろ!? そない無茶な…!」
さんぽ
「でも……霊峰富士の龍脈を江ノ島の龍脈につなげれば、物凄い過負荷がかかる。
そのエネルギーを暴発させれば、江ノ島を沈没させる事も可能かもしれない…」
ついな
「──なるほどな、こらぁ一大事や……」
モウネン
「シュォ〜! シュォ〜……!!」
さんぽ
「……えっ!? 怪物はもう本土に上陸して、街で暴れ始めてるって!?」
ついな
「そらアカンっ!! ……くっ、何とかハンザキの奴を先回りして、
富士の龍脈を江ノ島に引き込むのを阻止せんと……!
でもどうしたら……?」
さんぽ
「──先回り……、はっ! 私に良い考えがある! あそこに行けば…!!」
ついな
「あそこ──? それどこや?? 何か良い場所があるん!?」
さんぽ
「ええ……その場所は──…、伝説の──『江ノ島岩屋』!!」
(SE。舞台転換)
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【夕方・江ノ島岩屋】
(SE:ごごごご…。たったったったっ! 駆け足の音)
ついな・さんぽ
「はぁっ、はぁっ、はぁっはぁっ…!」
ついな
「江ノ島の地下に、こんな大規模な洞窟があったなんて…!
はぁっはぁっ…!」
さんぽ
「この江ノ島岩屋は、江ノ島始まりの地として有名なの…!
はぁっはぁっ…!
今は観光客向けに第一岩屋と第二岩屋が公開されているだけだけど──、
昔は金窟とか龍窟とか呼ばれ、海によって下界と隔絶された神仙境だったとか…」
ついなN
江ノ島岩屋、この伝説の洞窟は神秘な雰囲気をたたえ、
江ノ島の地下に縦横無尽に広がっておった。
かつてはここで、空海や日蓮といった名だたる名僧が修業し、
そしてかの北条政子の父・鎌倉幕府初代執権 北条時政が、江ノ島弁才天から、
三枚の龍の鱗を授かったという伝説もある、聖なる洞窟なのだという──。
ついな
「──それにしても…、もうこんなに龍脈のエネルギーが捻じ曲がっとる……!
(SE:ぶよぶよぶよ……)
これはかなりヤバい感じやで…!!」
さんぽ
「私の江ノ島ビームがうまく発動できなかったのは、きっとこのせいね……」
ついな
「せやろな。
これは…かなり前から、相当用意周到に準備された計画やろうし…!
ところでさんぽちゃん、この岩屋で……一体何をどうする気なん?」
さんぽ
「それは──……、見て、ついなちゃん、あそこが目的地よ」
ついな
「──え、あれは……」
ついなN
さんぽちゃんの指差す先は洞窟の行き止まりで、木製の柵で厳重に封印がしてあった。
その先は……闇。
何やここ?
神々しいオーラをびんびん感じるで!?
それに……洞窟の奥から風を感じる!!
さんぽちゃん、ここは一体──…??
さんぽ
「ここは江ノ島岩屋・第一岩屋の最深部……。
この先は、『富士山の洞窟に繋がっている』と言われているの…!!
これなら、妖怪ハンザキを先回りできるでしょ!」
ついな
「──な、何やて……!?
でもここ、霊的な結界が幾重にも張り巡らされとる!
迂闊に入れる場所とはとても思えんで……!?」
さんぽ
「そう思うよね、普通なら…。
でも……かつてこの江ノ島岩屋を開いて、最初に修業した人物、
それは──あの役行者(えんのぎょうじゃ)だと言われているの…!」
ついな
「──役行者やてっっっ!!?
ウチの……ご先祖のっ!!??」
さんぽ
「そう、ついなちゃんのご先祖様!
だから……」
ついな
「よしっ、ここは子孫のウチに任せとき!
今日だけ特別に……、ご先祖様、ウチのお願い♡聞いてや!
ナウマク・サンマンダ・バーザラダン、
センダンマカロシャダ・ソワタヤ、ウン・タラタ、カン・マン!
障害を……除きたまえーーーっ!」
(SE:ピカーーーッッ! ごごごごごっ!)
さんぽ
「わ、岩屋の封印が開いていく──!!!」
(SE:パアァーーーーッッッ!)
ついなN
洞窟はまばゆい光に満たされ、一瞬何も見えなくなる。そして……光が消えた時、
(SE:シュワワ…)
ウチら二人は黄昏時の、さる神社の鳥居の前に立っていた…
ついな
「……ここは──…?」
さんぽ
「ここは……、龍口の龍口明神社!」
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【夕方・龍口明神社】
(SE:どかーん! ばたーん!! ハンザキが暴れている音)
ハンザキ
「ぐおおおおおおお〜〜〜〜〜〜〜っっっっ!!!!!!」
さんぽ
「あれ見て、ついなちゃんっ…!
オオサンショウウオのお化けが、神社に侵入しようとして大暴れしてる…!!」
ついな
「間に合った、あれがハンザキや!
きっと江ノ島の龍脈を破壊すべく、要の龍口明神の結界を破ろうとしとるんや!
よっしゃ、最終決戦やで、さんぽちゃん!!」
さんぽ
「了解ッ!
江ノ島の平和を乱すおいたさんは許しませーん!……っって……、
私…今、江ノ島ビーム、使えないんだっけ……」(汗)
ついな
「なぁ〜に、ウチ一人でも十分やで!
ハンザキの奴には借りがあるしな…!!
やいッ、ハンザキ!!!
この方相氏・役ついなが、今度こそ鬼やらいしたるで!」
(アクション系BGM)
ハンザキ
「……ぐおお?
ぐおおおおお〜〜〜〜っっ!!!」
(SE:どすどすどすっ、がががっ! ガキーンガキーンッ! アクションの音)
ついな
「くっ! こいつ……この前より大夫パワーアップしとる…!!」
ハンザキ
「ぐおおおっ!!」
(SE:どかーん! びりびりびりっ服の破ける音、ごごごっ!!)
さんぽ
「ついなちゃん──……!」
ついな
「せやかてウチだって……、ここ数ヶ月遊んでた訳やない!
この前お見舞いできなかった……必殺技でどやぁっ〜!!!
(SE:しゅわーーーーっっっ!!!)
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【滝夜叉姫のアジト】
(SE:水滴の音。ぴちょーん!)
滝夜叉姫
「フフッ、かかりおったぞ…!
今ぢゃ、ハンザキっ!!」
ハンザキ
「ぐおおおっ〜〜〜〜!!!!!!!」
(SE:ぶちぶちぶちっ!!)
ついな
「な、何や!?
ハンザキの奴、自分から自分の身体を真っ二つに…!?」
さんぽ
「しまった!
ついなちゃん、方相閃が神社の結界に当たる……!!!
(SE:どかぁぁぁーーーーーーんっ!!)
きゃああっっっ!」
ついな
「うわああああぁぁぁっっっ!?
(SE:ごごごごっ!! もくもくもく……)
しもた…、奴らの狙いは最初からこれやったんか……。
ううっ…」
(SE:がく)
さんぽ
「ああっ、ついなちゃんっっっ!
鳥居が倒れて下敷きに……!?」
滝夜叉姫
「ククク、方相氏の力で神社の結界は破られた……。
後は神社を破壊するのみ……。
やれッ、ハンザキ!!
あーーはっはっはっはっ!!!!!」
ハンザキ
「ぐおおお〜っ!」
(SE:ざっ!! ヒーロー物っぽいBGM)
さんぽ
「待ちなさい!
江ノ島の平和を乱す者は、この私が許しません!
元気いっぱい! 好奇心旺盛!!
お散歩大好き☆江ノ島さんぽがお相手します!!」
ハンザキ
「ぐおお?」
(SE:ずしーん、ずしーん)
さんぽ
「みんなを笑顔に……、江ノ島ビームっっ!!!!
(SE:カッ! ………ヘニョヘニョへにょ……ぽふん)
…あ☆ やっぱり駄目??」
ハンザキ
「ぐおお〜〜〜!!!」
(SE:がしッ! さんぽちゃんを身体ごと掴む音)
さんぽ
「きゃあ〜〜〜!? えっち! これ以上のおイタはめっですっ!!!!!!
(SE:ポカポカポカッ!)
放しなさい〜〜〜〜っ!」(汗)
ハンザキ
「ぐおおっ!」
(SE:ぶんっっ! ひゅっ…っっ!)
【※鳥居の残骸に投げつけられそうになったところをついなちゃんがカバー】
さんぽ
「きゃあっ…!!」
(SE:がしっ!)
ついな
「うっ……、ダイジョブか、さんぽちゃん……?」
さんぽ
「ありがと、ついなちゃんっ受け止めてくれて……」
ついな
「それよりコレ……、さっき…結界が破れて崩れた鳥居の下から見つけたんや……」
さんぽ
「え、何…?
これは……きらきら光った…鱗…??
三枚め……?」
ついな
「せや…この三枚の鱗からは力を感じる…。
後は任せたで、江ノ島の守護神…っ!!」
さんぽ
「三枚の鱗……、三つ鱗(ミツウロコ)……龍の鱗……、
はっ!! こ、これは……!?」
(SE:ざっ!! 立ち上がるさんぽちゃん。再びヒーローっぽいBGM)
ハンザキ
「ぐおおおおっ!」
(SE:どどどどどどっっ!)
さんぽ
「…ゴメンね、ハンザキさん──。
私は江ノ島さんぽ……、江ノ島弁才天の命を受け、
みんなの笑顔と江ノ島の平和を守るのが、私に与えられた使命なんです──…☆
江ノ島を守護する聖なる龍の鱗よ、私に力を貸して──…っ!!
江ノ島さんぽは世のため人のため、みんなを明るく照らします!
五頭龍と江ノ島弁才天の力を借りて……、お見舞いしちゃうぞ♡
はいぱぁーーーっ☆江ノ島ビィィーーーーーーーーームッッッッッ!!!!!!」
ハンザキ
「ぐおおおおおお〜〜〜〜〜っ!?」
(SE:どどどどどどどどっっ!)
(SE:間。……カッ!!! 光線の音。ピシャーーーーッ! ゴオオッッ…!!
衝撃音。そして静かに全てが浄化される音。遠く聞こえるハンザキの声…)
ついな
「すごい…江ノ島ビーム完全復活や……。やったな、さんぽちゃん……!」
(SE:ごごごご……)
さんぽ
「……ありがとう、ついなちゃん…!
私……護ったよ、江ノ島の平和を……!!
(SE:夕日をバックに人々が駆けつける音)
街の住人達
「わ〜〜!(ガヤ)
さんぽちゃーん!!!!
ありがとう〜〜〜〜!!
ついな
「おお、江ノ島の街の人たちや!」
さんぽ
「……みんな、ありがとう!!!
江ノ島を守れたのは皆さんのおかげです!☆
街のみんな、モウネンさん達、天女様、五頭龍さん、そしてついなちゃん……。
ありがとうね!!!」
ついな
「へへっ、どういたしましてやで!!
江ノ島の、新守護神さまっ♡」
(SE:遠くから聞こえる静かな潮騒の音。カモメの鳴き声・ゆっくりとFO)
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【ED】
ついなN
聖なる龍の鱗……三つ鱗(ミツウロコ)は、
鎌倉北条氏の家紋の元にもなった権威ある力の証…。
江ノ島の天女が、世の安寧と幸せを護ると認めた者にだけ与える聖なる験(しるし)なんや。
(SE:しゃらららら☆きゅぴーん♡ 魔法少女っぽい効果音)
さんぽ
「みんなを笑顔に、江ノ島ビーム☆
(SE:きゃるーん♡)
元気いっぱい! 好奇心旺盛!! お散歩大好き、
江ノ島さんぽ、参っ☆上〜〜っ!!!!♡
(SE:ぱあぁぁぁぁぁ♪)
これからもみんなに、素敵な江ノ島をいっぱい届けちゃいますよ☆
よ・ろ・し・く・ね♡」
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【次回予告】
ついなN
……ちゅー訳で! ウチとさんぽちゃんの活躍どうやった?
さんぽちゃんのキュートな魅力とはいぱー江ノ島ビームの超威力で、
さすがの妖怪どももタジタジやったな☆
みんなも神奈川県に来る事あったら、
ぜひさんぽちゃんの聖地・藤沢市江ノ島に足を運んでみてなっっ♪
さて、次回の予告やで〜!!
(SE:いきなり音楽転換。暗くておどろおどろしい曲に)
次のお話は…とある男と古いかーなびの物語や…。
かーなび…知っとるやろ?
車に乗る時、行き先を道案内してくれる便利なキカイや。
……せやけどな、人の『想い』が染み付いたようなんはあんまりオススメしーへん。
もしかしたらアンタを、どこか知らない世界へ連れてくかもしれへんでぇ……。
──ちゅー訳で……、次回はいつもとがらり趣向を変えて、
本格怪談風味の物語をお届けするで──…。
次回『鬼っ子ハンターついなちゃん』は、
「滝夜叉姫と妖魔の内裏編」第8話
呪いのカーナビの巻で……、し〜ゆ〜ねくすと…おにやら〜い、やでぇ〜〜…!
(SE:どろどろどろどろ……)
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※この脚本を用いた、門脇舞以さんらプロの声優の方々によるボイスドラマも配信しております。
ぜひご視聴なさってみてください! https://fantia.jp/fanclubs/326