【滝夜叉姫と妖魔の内裏編】第５話 秋田県東由利の奇跡！の巻（前編）
文字数 7,602文字
鬼っ子ハンターついなちゃん【滝夜叉姫と妖魔の内裏編】
第5話 秋田県東由利の奇跡！の巻（前編）
〈登場人物〉
役ついな（一四歳）……本名・如月ついな。方相氏（鬼退治師）。CV：門脇舞以。
前鬼(ぜんき)……ついなちゃんのお供その①（赤いぬいぐるみ）。セリフはピコピコ音。
後鬼(ごき)……ついなちゃんのお供その②（青いぬいぐるみ）。セリフは無し。
黄桜すい（一六歳）……秋田県・東由利のご当地萌えキャラ。愛称すいちゃん。CV：相葉ゆきこ。
赤いナモミハギ……秋田県由利郡に伝わるナマハゲの仲間。
青いナモミハギ……同上。
※「N」＝ナレーション
▶︎【鬼っ子ハンターついなちゃん】ボイスドラマ 第5話（前半）ボイスドラマ
https://fantia.jp/posts/4305
▶︎解説トークコーナー「門脇舞以と大辺璃紗季のﾄﾞﾙﾙｩｯのコーナー！ 第5回（前半）」
https://fantia.jp/posts/4689
★黄桜すいプロジェクト KSP
https://kizakurasui.jp/ksp/
（黄桜すいちゃんは秋田県のご当地萌えキャラ。黄桜すいプロジェクト様のキャラクターになります。
この小説とボイスドラマは、公式にコラボさせていただいた作品となります）
──────────────────────────────────────
ついなＮ
小正月・節分・大晦日の晩に出て来る者が、鬼の形をして居ますが、
これは、まれ人(びと)と精霊との形を混乱させて、特殊の形を取って居た、
と私も以前は思って居ました──…
折口信夫『春来る鬼』より──
──────────────────────────────────────
ついなＮ
ウチ、方相氏の役ついな！
一四歳の鬼退治師や！
トレードマークは金色に光る四つ目のお面に、
真っ白いツインドリルの髪、通称ドゥルル！
蘇った千年の怨霊・滝夜叉姫の跡を追い、関東へ向かったウチ。
前回は、ちょぉっとばかり方向音痴で道草食っちゃったけど、
いよいよ神奈川県のかまくらまでやって来たでぇ♫
この酷寒の地かまくらで、
果たしてどんな事件がウチを待っているんやろか……？
……って、えっ!?
そこへ青き衣を纏いし謎の美少女が登場やて?! 一体何者なん〜!!?
ついなＮ
『鬼っ子ハンターついなちゃん』、「滝夜叉姫と妖魔の内裏編」第5話
第5話 秋田県東由利の奇跡！の巻！
──────────────────────────────────────
【夜・雪降る東由利の街】
（ＳＥ：吹雪の音。街に流れるジングルベルの曲）
ついな
「……へっ、へっ、へっ、へーっくちゅ!!
いやぁ〜、凍(しば)れるなぁ〜〜。
巷はもうクリスマスシーズンかぁ〜、方相氏のウチには関係ないけど、
ウチも一度『くりすますけーき』っちゅうの食べてみたいなぁ……」
サンタ(?)
「ホゥ、ホゥ、ホゥ！ メリー・クリスマース！！」
ついな
「うわ〜、前鬼見たか!?
なんか伴天連の大黒さんみたいのおったで！ 感激やわ!!
あれが噂のサンタクロースかぁ、ウチ本場雪国のサンタ、初めて見たでぇ…！
はるばる関東までやってきた甲斐があったなぁ」
前鬼
「ピコピコ！」
ついな
「本場のサンタって雪避けの蓑を被っとるんやなぁ。
勉強になったわぁ。
……と、何はともあれいよいよ到着したで、いざかまくらぁ〜〜!!」
前鬼
「ピコピコピコ！」
ついな
「それにしても、かまくらって、意外とせせこましい所なんやなぁ。
あったかいけど、３、４人入ったら、もういっぱいいっぱいやで！
……ま、せっかくやし、まずはかまくら名物・鳩サブレ食べるか〜。
初めて買うたんやけど、鳩サブレってキリタンポに似とるなぁ♫」
ついな・すい
（はむはむはむはむ…はふはふ、ふー、ふー）
すい
「（はむはむ）あの……鎌倉って……、（ふーふー）ここ秋田だよ？」
ついな
「秋田…!?（はふはふ、あつつ） あ、秋田…って……神奈川県秋田市？」
すい
「（はふはふ）違うよ！ 秋田県！」
ついな
「え……、秋田……『県』……やて！？」
すい
「そう、ここは秋田県由利本荘市東由利、 すいの住んでる街だよ！」
ついな
「…………え…、えっ……、えええええ〜〜〜〜〜っっ！！？!?」
──────────────────────────────────────
【夜・かまくらの中】
（ＳＥ：しばし間。ビュウゥ〜と吹雪の音。グツグツと鍋が煮える音）
ついな
「（はふはふ）さよか〜、神奈川行こ思うとったのに、少し行き過ぎたかぁ」
すい
「少し…？(汗) ……でもそっか〜、ついなちゃんは悪い妖怪を追って、
全国を旅しているんだ。道理でそんな素っ頓狂な格好をしてるのね！」
ついな
「素っ頓狂やないで、これは由緒正しい方相服なんや！ それに……、
素っ頓狂ゆーたら、そっちかて、十分ケッタイな格好しとるやん！」
すい
「えっへへ……！ すいのこれは水の女神の服なんだよ〜〜」
ついなＮ
いつの間にかウチと一緒にキリタンポ食べとったその女の子は、
年の頃は十六歳ほど、水色ツインテールで、
和洋折衷のふしぎな青い服を纏い、お花の形したへんてこな杖を持ち、
何というか……、まるで魔法少女のような出で立ちをしておった。
ちゅーか、この子いったい誰なん!? 水の女神って何や？？
すい
「えっとね、……私、黄桜すい。すいのすいは湧き水の水(すい)！
すいは、水神(みずがみ)様から力を授かって、水の女神として、
豊かな自然を守って、東由利の人たちを助けているんだよ!!」
ついな
「何や知らんけど…す、すいちゃんて……、厨二病さんなんやなぁ……」
すい
「鬼退治で全国行脚してるついなちゃんに言われたくないよー?!」
ついな・すい
「…………ぷっ。あはっ、あはは、あははははははははっ！！！！」
（ＳＥ：グツグツと鍋が煮える音【ＦＯ】。ジングルベルの曲）
──────────────────────────────────────
サンタ(?)
「ホゥ、ホゥ、ホゥー……！」【ＦＯ】
ついな
「そっかぁ、すいちゃんは割と最近まで普通に東京で暮らしてて、
今年になってから東由利に引っ越してきて、
それで水の女神に任命されたんかぁ〜」 （ＳＥ：グツグツ）
すい
「うん、そうだよ！ すいも最初は慣れなかったけど、東由利のために、
日夜いろいろ働いてるんだ。すい、この街が大好きだから！」
ついなＮ
──ウチとすいちゃんは、お互い何か相通ずるものがあったのか、
初めて出会ったばかりやのに、思いのほか意気投合してもーた！
そんですいちゃんは、ウチに東由利をいろいろ案内してくれたんや。
──────────────────────────────────────
【夜・雪降る東由利の街】
すい
「……ここが東由利の街の目抜通り、道の駅だよ！
ショッピングプラザや温泉もあるんだ♫」
（ＳＥ：街の雑踏）
ついな
「へ〜！ ……ちゅーても、ごっつい雪やなぁ〜。一面銀世界や!!!」
すい
「そうだね、特にこの季節は、
秋田で一番雪の降る街なんだよ、東由利って。
すいも東京からこっちに来て、初めて見た時はびっくりしちゃった！
でもスキーもできるし、夜はイルミネーションがとっても綺麗だよ！」
ついな
「すごいなぁ〜、……東由利はめっちゃ自然豊かな場所なんやな！」
すい
「うん！ 春には、街じゅうに黄桜がいっぺ咲くんだ!!
ついなちゃんにも見せてあげたかったなぁ〜……。
それになんと言ったって、東由利は水がすっごく綺麗なの!!
今は全部雪の下だけど、あっちこっちに自然の湧き水があるんだよ〜」
ついな
「へ〜〜！ さっすが、すいちゃんは水の女神様やなぁ〜」
すい
「えっへへへ…。でも──……」
ついな
「──ん……？」
ついなＮ
…その時、元気で明るいすいちゃんの表情に、
ふっと暗いものがよぎった事に、ウチは感付いた。
ついな
「何や、すいちゃん？ 心配事でもあるん？」
すい
「実は…えっと普通ならこんな事、人に相談できる話じゃないんだけど…」
ついな
「かまへんて。ウチに出来ることやったら、何でも相談に乗ったるで！」
すい
「ありがと……実は最近……、東由利の自然に異変が起きているの……。
その異変に……何か妖(あやかし)の力が関係しているみたいで──……」
ついな
「……な、何やて……!?」
すい
「この東由利の街は、霊峰・鳥海山に見守られ、
四方を山々に囲まれているから、普通なら、自然の生態系を狂わす、
悪い妖の類は侵入してこられないことになってるの。
だけど最近……、ここ数ヶ月ね、結界が破られる事が度々あって…」
ついな
「妖の類……。ここ数ヶ月…かぁ……」
すい
「うん…。本当はね……、街外れにある神様が宿った杉の大木、
『法内(ほうない)の八本杉』のおかげで、鬼や妖怪みたいな存在は、
東由利には入って来られないはずなの。それなのに……」
ついな
「その杉の大木に何か異変でもあったん？」
すい
「うん──。実は…、げんじろじっちゃが……、あ、
げんじろじっちゃは、すいの家の近所に住んでるお年寄りさん…なんだけど、
そのげんじろじっちゃが言うには夜、法内の八本杉を見回りに行って、
深夜12時頃、杉の木に悪さをする怪しい人影を目撃したっていうの…。
すいは、これからそれを調べに行くところだったんだ」
ついな
「怪しい人影やて!? それって……、どんな奴やったん？」
すい
「その…赤くて…大柄な太鼓腹で…大仰な仕草で妙な雄叫びを上げてたって…」
ついな
「えっ、そ、それってもしかして──……」
ついな・すい
「サ、サンタクロース!!? 」
（ＳＥ：吹雪の音）
ついなＮ
──すいちゃんの話によると、
どうやら、そのサンタクロースとおぼしき怪人は、
手にした鋸(ノコギリ)か何かで、法内の八本杉を切り倒そうとしていたらしい。
霊樹・法内の八本杉が切り倒されれば、東由利の結界は崩れて、
大変な事になってまうのは火を見るより明らか…。これは一大事や！
すい
「げんじろじっちゃは、
『アレは絶対サンタクロースぢゃった、間違いない！』て言いはるの。
すいは……サンタさんがそんな事するなんて信じたくないんだけど…」
ついな
「ウチかてそうや、そんなん信じられへん！」
すい
「ついなちゃん、できたら…お願い！ すいは妖怪退治に詳しくないし、
そんなサンタさんをどうしたら良いのか見当もつかないの……！
妖怪退治の専門家としての力を…ついなちゃんの力を貸してくれる？」
ついな
「もちろんええで！ これも何かの縁や、ウチが一肌脱いだるっっ！」
すい
「あ、ありがでな、ついなちゃん……!! よろすぐ……！」
ついな
「あべ！ ウチにまがへれ〜〜♫」
──────────────────────────────────────
ついなＮ
…という次第で、ウチはすいちゃんに協力することになったんや。
ウチとすいちゃんの二人は、深夜になるのを待って、
コートを着込んで、街外れにある法内の八本杉に向かうことにした。
目的は、杉の木の調査＆謎のサンタ（？）の正体を掴むことや……！
【夜・東由利の街外れ、雪が深く積もった森】
（ＳＥ：吹雪の音。ザックザックと、雪を踏みしめ歩く音）
ついなＮ
……東由利の街外れ…鳥居を潜り、ウチらは雪を踏みしめ進んでいく。
遊歩道としてよく整備されとるけど、そこは豊かな自然の残る深い森。
吹雪一歩手前の凍てついた雪が、肩や頭に降りしきる中、
ウチとすいちゃんは寒さを紛らすため、他愛ないお喋りに興じていた。
すい
「東由利には法内の八本杉の他にもう一つ、岩館(いわだて)の大イチョウって、
大木があるんだよ。どっちも秋田県の天然記念物なんだ♫」
ついな
「へえぇ、そら凄いな〜！ ぜひ大イチョウの方も見てみたいで！」
すい
「それでね、死んじゃったすいのおばあちゃんは、森の精になって、
岩館の大イチョウから、すいや、すいのおじいちゃんや、
パパ、ママ、東由利の街のことを見守ってくれているの」
ついな
「さよか……。すいちゃんは寂しくないん？」
すい
「え、全然寂しくなんかないよ！ パパやママやおじいちゃん、
げんじろじっちゃや東由利のみんな、水神様がいるし、それに、
大イチョウに行けば、いつでもおばあちゃんに会えるもの！」
ついな
「それは羨ましいな……」
（ＳＥ：吹雪の音。雪を踏みしめ歩く音）
すい
「──実は……、今回の事件をすいに最初に教えてくれたのは、
森の精になったおばあちゃんだったんだ……。
東由利の自然が…、法内の八本杉が悲鳴をあげてるって」
ついな
「そっか……ならおばあちゃんのためにも、この事件、絶対解決せなな！」
すい
「──うん、そうだね、ついなちゃん!!
……あ、そういえば、
法内の八本杉の手前には、出会いの泉っていう湧き水があるんだよ。
そこで昔、おばあちゃんとおじいちゃんがデートを……って、
そろそろその泉が見えてくるはず──……、あ、あれっ……!?」
ついな
「何や、これ…？ 湧き水の……、水が枯れとる……。
これは…冬だからやないな。微かに鬼の妖気の残り香を感じるで…！」
すい
「もうこんなところにまで、妖の力の影響が……」
ついな
「それに…、すいちゃん、あれ見てみぃ。何か変なものが落ちとる！」
すい
「こ、これは……？」
ついな・すい
「出刃包丁!!?」
ついな
「な、何で、こんなところに出刃包丁が……!?
……はっ、も、も、もしかして……!!」
すい
「もしかして…！ もしかして犯人は……、
サンタの格好をした殺人鬼っ!? ホラーっっ!!?」
ついな
「いや、せやなくてっっ！！！ （ＳＥ：こけっ）
秋田で…、冬で……、出刃包丁ゆーたら、アレしかないやろっ!?」
すい
「……えっ……？ それって……──、ナ……ナ……」
ついな
「せやっ……『ナマハゲ』や!!」
すい
「ナマハゲがサンタを出刃包丁で……サンタ殺人事件!?」
ついな
「せやせや、サンタをぐさっとぉ……って、アホか〜〜〜〜っっ!!!」(汗)
すい
「違うの？」
ついな
「すいちゃん、冷静に考えてみぃ。現場に残された物的証拠の出刃包丁、
目撃者のげんじろじっちゃの証言。そして、微かに残る鬼の妖気……。
これは、ナマハゲがこの事件の真犯人(ホンボシ)ゆーことを指し示しとるで…！」
すい
「えっ、えっ……!? でもっ……ナマハゲって悪い鬼じゃないよっ？」
ついな
「──せやな……、普通ナマハゲは悪い鬼やない。
『春来る鬼』すなわちナマハゲは、むしろ神の眷属、聖なる来訪者や。
……いわゆるまれ人に属する『良い鬼』。
けど……、この状況証拠の数々を見るに、下手人はナマハゲとしか…」
すい
「でも……、すいには──……、すいには、
ナマハゲさんたちが悪い人たちだとは思えないの……。
今年のゴールデンウィーク……パパたちと一緒に男鹿半島を旅行したんだけど、
そこで見たナマハゲさんたち、 とっても良い人たちだったし……」
ついな
「…… それはオフシーズンのナマハゲやろ？
観光客向けのナマハゲやろうし……」
すい
「でも……、東由利の近所のにかほ市にいるナマハゲの仲間、
アマノハギさんは、子供達の宿題を見てくれたりするんだよ！」
ついな
「至れり尽くせりやな!?
……まあ、近年の例では、ナマハゲに化けた猿の妖怪変化が、
悪さを働いていていたっちゅうケースもあったし、
一概にナマハゲが犯人とは言えへんけど……」
すい
「そうだよ！ すいはナマハゲさんを信じたい……！」
ついな
「せやな。けど…普通二人セットのナマハゲが、赤いナマハゲ一人しか、
目撃されとらんというのも少し引っかかるで……。何か妙や……」
すい
「きっとナマハゲさんは真犯人じゃないんだよ！ 何か複雑な事情が…」
ついなＮ
……と、その時やった──……。
森の奥の奥の方から、不意にあの不気味な声が響いてきたのは……。
ナモミハギ
「ホゥ、ホゥ、ホゥ〜〜…！」
ついな・すい
「サ、サンタっ!!?」
ナモミハギ
「ホゥ、ホゥ、ホゥ〜……、悪い子(わりご)はいねがぁああ〜〜〜……！！！」
ついな
「ナ、ナマハゲの声やっ!!? どうなっとるん？？」
すい
「……うん！ ……行こう、ついなちゃん！ 法内の八本杉へ──…！
ここで考えてても始まらない。答えは…きっとそこにあるよっ……!!!」
ついな
「うん……！」
（ＳＥ：吹雪の音。盛り上がるＢＧＭ）
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【アイキャッチ】
ついなＮ
『鬼っ子ハンターついなちゃん』！ 「滝夜叉姫と妖魔の内裏編」！
【ＣＭ枠】
すいＮ
──秋田県由利本荘市は、
出羽の富士とも呼ばれる秀麗な山容を誇る鳥海山と日本海に囲まれ、
山々からは湧水が豊富に溢れ出す、四季折々が美しい自然豊かな街です。
夏は山で登山やキャンプ、海でヨットやサーフィン、川ではボート、渓流
釣りなど、冬はスキーやスノーモービルなど、レジャースポットも満載。
そして、美味しいお米や秋田由利牛など、
新鮮な食材を使った色んな郷土料理もたくさん。
自然あふれる中で、思いっきり遊んで食べて、
満喫できる由利本荘市へぜひお越しください。
･･･ふぅ〜、すい、うまく言えたかなぁ〜。
あっ、ぜひあなたのお越しをお待ちしてますっ。
黄桜すいでした！
せばね〜♪
ついなＮ
それじゃー、後半もぜったい聞いてな♡
（前半終了）
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※CMパートの内容は、ボイスドラマ公開当時のものです。
※この脚本を用いた、門脇舞以さんらプロの声優の方々によるボイスドラマも配信しております。
ぜひご視聴なさってみてください！ https://fantia.jp/fanclubs/326
第5話 秋田県東由利の奇跡！の巻（前編）
〈登場人物〉
役ついな（一四歳）……本名・如月ついな。方相氏（鬼退治師）。CV：門脇舞以。
前鬼(ぜんき)……ついなちゃんのお供その①（赤いぬいぐるみ）。セリフはピコピコ音。
後鬼(ごき)……ついなちゃんのお供その②（青いぬいぐるみ）。セリフは無し。
黄桜すい（一六歳）……秋田県・東由利のご当地萌えキャラ。愛称すいちゃん。CV：相葉ゆきこ。
赤いナモミハギ……秋田県由利郡に伝わるナマハゲの仲間。
青いナモミハギ……同上。
※「N」＝ナレーション
▶︎【鬼っ子ハンターついなちゃん】ボイスドラマ 第5話（前半）ボイスドラマ
https://fantia.jp/posts/4305
▶︎解説トークコーナー「門脇舞以と大辺璃紗季のﾄﾞﾙﾙｩｯのコーナー！ 第5回（前半）」
https://fantia.jp/posts/4689
★黄桜すいプロジェクト KSP
https://kizakurasui.jp/ksp/
（黄桜すいちゃんは秋田県のご当地萌えキャラ。黄桜すいプロジェクト様のキャラクターになります。
この小説とボイスドラマは、公式にコラボさせていただいた作品となります）
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ついなＮ
小正月・節分・大晦日の晩に出て来る者が、鬼の形をして居ますが、
これは、まれ人(びと)と精霊との形を混乱させて、特殊の形を取って居た、
と私も以前は思って居ました──…
折口信夫『春来る鬼』より──
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ついなＮ
ウチ、方相氏の役ついな！
一四歳の鬼退治師や！
トレードマークは金色に光る四つ目のお面に、
真っ白いツインドリルの髪、通称ドゥルル！
蘇った千年の怨霊・滝夜叉姫の跡を追い、関東へ向かったウチ。
前回は、ちょぉっとばかり方向音痴で道草食っちゃったけど、
いよいよ神奈川県のかまくらまでやって来たでぇ♫
この酷寒の地かまくらで、
果たしてどんな事件がウチを待っているんやろか……？
……って、えっ!?
そこへ青き衣を纏いし謎の美少女が登場やて?! 一体何者なん〜!!?
ついなＮ
『鬼っ子ハンターついなちゃん』、「滝夜叉姫と妖魔の内裏編」第5話
第5話 秋田県東由利の奇跡！の巻！
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【夜・雪降る東由利の街】
（ＳＥ：吹雪の音。街に流れるジングルベルの曲）
ついな
「……へっ、へっ、へっ、へーっくちゅ!!
いやぁ〜、凍(しば)れるなぁ〜〜。
巷はもうクリスマスシーズンかぁ〜、方相氏のウチには関係ないけど、
ウチも一度『くりすますけーき』っちゅうの食べてみたいなぁ……」
サンタ(?)
「ホゥ、ホゥ、ホゥ！ メリー・クリスマース！！」
ついな
「うわ〜、前鬼見たか!?
なんか伴天連の大黒さんみたいのおったで！ 感激やわ!!
あれが噂のサンタクロースかぁ、ウチ本場雪国のサンタ、初めて見たでぇ…！
はるばる関東までやってきた甲斐があったなぁ」
前鬼
「ピコピコ！」
ついな
「本場のサンタって雪避けの蓑を被っとるんやなぁ。
勉強になったわぁ。
……と、何はともあれいよいよ到着したで、いざかまくらぁ〜〜!!」
前鬼
「ピコピコピコ！」
ついな
「それにしても、かまくらって、意外とせせこましい所なんやなぁ。
あったかいけど、３、４人入ったら、もういっぱいいっぱいやで！
……ま、せっかくやし、まずはかまくら名物・鳩サブレ食べるか〜。
初めて買うたんやけど、鳩サブレってキリタンポに似とるなぁ♫」
ついな・すい
（はむはむはむはむ…はふはふ、ふー、ふー）
すい
「（はむはむ）あの……鎌倉って……、（ふーふー）ここ秋田だよ？」
ついな
「秋田…!?（はふはふ、あつつ） あ、秋田…って……神奈川県秋田市？」
すい
「（はふはふ）違うよ！ 秋田県！」
ついな
「え……、秋田……『県』……やて！？」
すい
「そう、ここは秋田県由利本荘市東由利、 すいの住んでる街だよ！」
ついな
「…………え…、えっ……、えええええ〜〜〜〜〜っっ！！？!?」
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【夜・かまくらの中】
（ＳＥ：しばし間。ビュウゥ〜と吹雪の音。グツグツと鍋が煮える音）
ついな
「（はふはふ）さよか〜、神奈川行こ思うとったのに、少し行き過ぎたかぁ」
すい
「少し…？(汗) ……でもそっか〜、ついなちゃんは悪い妖怪を追って、
全国を旅しているんだ。道理でそんな素っ頓狂な格好をしてるのね！」
ついな
「素っ頓狂やないで、これは由緒正しい方相服なんや！ それに……、
素っ頓狂ゆーたら、そっちかて、十分ケッタイな格好しとるやん！」
すい
「えっへへ……！ すいのこれは水の女神の服なんだよ〜〜」
ついなＮ
いつの間にかウチと一緒にキリタンポ食べとったその女の子は、
年の頃は十六歳ほど、水色ツインテールで、
和洋折衷のふしぎな青い服を纏い、お花の形したへんてこな杖を持ち、
何というか……、まるで魔法少女のような出で立ちをしておった。
ちゅーか、この子いったい誰なん!? 水の女神って何や？？
すい
「えっとね、……私、黄桜すい。すいのすいは湧き水の水(すい)！
すいは、水神(みずがみ)様から力を授かって、水の女神として、
豊かな自然を守って、東由利の人たちを助けているんだよ!!」
ついな
「何や知らんけど…す、すいちゃんて……、厨二病さんなんやなぁ……」
すい
「鬼退治で全国行脚してるついなちゃんに言われたくないよー?!」
ついな・すい
「…………ぷっ。あはっ、あはは、あははははははははっ！！！！」
（ＳＥ：グツグツと鍋が煮える音【ＦＯ】。ジングルベルの曲）
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サンタ(?)
「ホゥ、ホゥ、ホゥー……！」【ＦＯ】
ついな
「そっかぁ、すいちゃんは割と最近まで普通に東京で暮らしてて、
今年になってから東由利に引っ越してきて、
それで水の女神に任命されたんかぁ〜」 （ＳＥ：グツグツ）
すい
「うん、そうだよ！ すいも最初は慣れなかったけど、東由利のために、
日夜いろいろ働いてるんだ。すい、この街が大好きだから！」
ついなＮ
──ウチとすいちゃんは、お互い何か相通ずるものがあったのか、
初めて出会ったばかりやのに、思いのほか意気投合してもーた！
そんですいちゃんは、ウチに東由利をいろいろ案内してくれたんや。
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【夜・雪降る東由利の街】
すい
「……ここが東由利の街の目抜通り、道の駅だよ！
ショッピングプラザや温泉もあるんだ♫」
（ＳＥ：街の雑踏）
ついな
「へ〜！ ……ちゅーても、ごっつい雪やなぁ〜。一面銀世界や!!!」
すい
「そうだね、特にこの季節は、
秋田で一番雪の降る街なんだよ、東由利って。
すいも東京からこっちに来て、初めて見た時はびっくりしちゃった！
でもスキーもできるし、夜はイルミネーションがとっても綺麗だよ！」
ついな
「すごいなぁ〜、……東由利はめっちゃ自然豊かな場所なんやな！」
すい
「うん！ 春には、街じゅうに黄桜がいっぺ咲くんだ!!
ついなちゃんにも見せてあげたかったなぁ〜……。
それになんと言ったって、東由利は水がすっごく綺麗なの!!
今は全部雪の下だけど、あっちこっちに自然の湧き水があるんだよ〜」
ついな
「へ〜〜！ さっすが、すいちゃんは水の女神様やなぁ〜」
すい
「えっへへへ…。でも──……」
ついな
「──ん……？」
ついなＮ
…その時、元気で明るいすいちゃんの表情に、
ふっと暗いものがよぎった事に、ウチは感付いた。
ついな
「何や、すいちゃん？ 心配事でもあるん？」
すい
「実は…えっと普通ならこんな事、人に相談できる話じゃないんだけど…」
ついな
「かまへんて。ウチに出来ることやったら、何でも相談に乗ったるで！」
すい
「ありがと……実は最近……、東由利の自然に異変が起きているの……。
その異変に……何か妖(あやかし)の力が関係しているみたいで──……」
ついな
「……な、何やて……!?」
すい
「この東由利の街は、霊峰・鳥海山に見守られ、
四方を山々に囲まれているから、普通なら、自然の生態系を狂わす、
悪い妖の類は侵入してこられないことになってるの。
だけど最近……、ここ数ヶ月ね、結界が破られる事が度々あって…」
ついな
「妖の類……。ここ数ヶ月…かぁ……」
すい
「うん…。本当はね……、街外れにある神様が宿った杉の大木、
『法内(ほうない)の八本杉』のおかげで、鬼や妖怪みたいな存在は、
東由利には入って来られないはずなの。それなのに……」
ついな
「その杉の大木に何か異変でもあったん？」
すい
「うん──。実は…、げんじろじっちゃが……、あ、
げんじろじっちゃは、すいの家の近所に住んでるお年寄りさん…なんだけど、
そのげんじろじっちゃが言うには夜、法内の八本杉を見回りに行って、
深夜12時頃、杉の木に悪さをする怪しい人影を目撃したっていうの…。
すいは、これからそれを調べに行くところだったんだ」
ついな
「怪しい人影やて!? それって……、どんな奴やったん？」
すい
「その…赤くて…大柄な太鼓腹で…大仰な仕草で妙な雄叫びを上げてたって…」
ついな
「えっ、そ、それってもしかして──……」
ついな・すい
「サ、サンタクロース!!? 」
（ＳＥ：吹雪の音）
ついなＮ
──すいちゃんの話によると、
どうやら、そのサンタクロースとおぼしき怪人は、
手にした鋸(ノコギリ)か何かで、法内の八本杉を切り倒そうとしていたらしい。
霊樹・法内の八本杉が切り倒されれば、東由利の結界は崩れて、
大変な事になってまうのは火を見るより明らか…。これは一大事や！
すい
「げんじろじっちゃは、
『アレは絶対サンタクロースぢゃった、間違いない！』て言いはるの。
すいは……サンタさんがそんな事するなんて信じたくないんだけど…」
ついな
「ウチかてそうや、そんなん信じられへん！」
すい
「ついなちゃん、できたら…お願い！ すいは妖怪退治に詳しくないし、
そんなサンタさんをどうしたら良いのか見当もつかないの……！
妖怪退治の専門家としての力を…ついなちゃんの力を貸してくれる？」
ついな
「もちろんええで！ これも何かの縁や、ウチが一肌脱いだるっっ！」
すい
「あ、ありがでな、ついなちゃん……!! よろすぐ……！」
ついな
「あべ！ ウチにまがへれ〜〜♫」
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ついなＮ
…という次第で、ウチはすいちゃんに協力することになったんや。
ウチとすいちゃんの二人は、深夜になるのを待って、
コートを着込んで、街外れにある法内の八本杉に向かうことにした。
目的は、杉の木の調査＆謎のサンタ（？）の正体を掴むことや……！
【夜・東由利の街外れ、雪が深く積もった森】
（ＳＥ：吹雪の音。ザックザックと、雪を踏みしめ歩く音）
ついなＮ
……東由利の街外れ…鳥居を潜り、ウチらは雪を踏みしめ進んでいく。
遊歩道としてよく整備されとるけど、そこは豊かな自然の残る深い森。
吹雪一歩手前の凍てついた雪が、肩や頭に降りしきる中、
ウチとすいちゃんは寒さを紛らすため、他愛ないお喋りに興じていた。
すい
「東由利には法内の八本杉の他にもう一つ、岩館(いわだて)の大イチョウって、
大木があるんだよ。どっちも秋田県の天然記念物なんだ♫」
ついな
「へえぇ、そら凄いな〜！ ぜひ大イチョウの方も見てみたいで！」
すい
「それでね、死んじゃったすいのおばあちゃんは、森の精になって、
岩館の大イチョウから、すいや、すいのおじいちゃんや、
パパ、ママ、東由利の街のことを見守ってくれているの」
ついな
「さよか……。すいちゃんは寂しくないん？」
すい
「え、全然寂しくなんかないよ！ パパやママやおじいちゃん、
げんじろじっちゃや東由利のみんな、水神様がいるし、それに、
大イチョウに行けば、いつでもおばあちゃんに会えるもの！」
ついな
「それは羨ましいな……」
（ＳＥ：吹雪の音。雪を踏みしめ歩く音）
すい
「──実は……、今回の事件をすいに最初に教えてくれたのは、
森の精になったおばあちゃんだったんだ……。
東由利の自然が…、法内の八本杉が悲鳴をあげてるって」
ついな
「そっか……ならおばあちゃんのためにも、この事件、絶対解決せなな！」
すい
「──うん、そうだね、ついなちゃん!!
……あ、そういえば、
法内の八本杉の手前には、出会いの泉っていう湧き水があるんだよ。
そこで昔、おばあちゃんとおじいちゃんがデートを……って、
そろそろその泉が見えてくるはず──……、あ、あれっ……!?」
ついな
「何や、これ…？ 湧き水の……、水が枯れとる……。
これは…冬だからやないな。微かに鬼の妖気の残り香を感じるで…！」
すい
「もうこんなところにまで、妖の力の影響が……」
ついな
「それに…、すいちゃん、あれ見てみぃ。何か変なものが落ちとる！」
すい
「こ、これは……？」
ついな・すい
「出刃包丁!!?」
ついな
「な、何で、こんなところに出刃包丁が……!?
……はっ、も、も、もしかして……!!」
すい
「もしかして…！ もしかして犯人は……、
サンタの格好をした殺人鬼っ!? ホラーっっ!!?」
ついな
「いや、せやなくてっっ！！！ （ＳＥ：こけっ）
秋田で…、冬で……、出刃包丁ゆーたら、アレしかないやろっ!?」
すい
「……えっ……？ それって……──、ナ……ナ……」
ついな
「せやっ……『ナマハゲ』や!!」
すい
「ナマハゲがサンタを出刃包丁で……サンタ殺人事件!?」
ついな
「せやせや、サンタをぐさっとぉ……って、アホか〜〜〜〜っっ!!!」(汗)
すい
「違うの？」
ついな
「すいちゃん、冷静に考えてみぃ。現場に残された物的証拠の出刃包丁、
目撃者のげんじろじっちゃの証言。そして、微かに残る鬼の妖気……。
これは、ナマハゲがこの事件の真犯人(ホンボシ)ゆーことを指し示しとるで…！」
すい
「えっ、えっ……!? でもっ……ナマハゲって悪い鬼じゃないよっ？」
ついな
「──せやな……、普通ナマハゲは悪い鬼やない。
『春来る鬼』すなわちナマハゲは、むしろ神の眷属、聖なる来訪者や。
……いわゆるまれ人に属する『良い鬼』。
けど……、この状況証拠の数々を見るに、下手人はナマハゲとしか…」
すい
「でも……、すいには──……、すいには、
ナマハゲさんたちが悪い人たちだとは思えないの……。
今年のゴールデンウィーク……パパたちと一緒に男鹿半島を旅行したんだけど、
そこで見たナマハゲさんたち、 とっても良い人たちだったし……」
ついな
「…… それはオフシーズンのナマハゲやろ？
観光客向けのナマハゲやろうし……」
すい
「でも……、東由利の近所のにかほ市にいるナマハゲの仲間、
アマノハギさんは、子供達の宿題を見てくれたりするんだよ！」
ついな
「至れり尽くせりやな!?
……まあ、近年の例では、ナマハゲに化けた猿の妖怪変化が、
悪さを働いていていたっちゅうケースもあったし、
一概にナマハゲが犯人とは言えへんけど……」
すい
「そうだよ！ すいはナマハゲさんを信じたい……！」
ついな
「せやな。けど…普通二人セットのナマハゲが、赤いナマハゲ一人しか、
目撃されとらんというのも少し引っかかるで……。何か妙や……」
すい
「きっとナマハゲさんは真犯人じゃないんだよ！ 何か複雑な事情が…」
ついなＮ
……と、その時やった──……。
森の奥の奥の方から、不意にあの不気味な声が響いてきたのは……。
ナモミハギ
「ホゥ、ホゥ、ホゥ〜〜…！」
ついな・すい
「サ、サンタっ!!?」
ナモミハギ
「ホゥ、ホゥ、ホゥ〜……、悪い子(わりご)はいねがぁああ〜〜〜……！！！」
ついな
「ナ、ナマハゲの声やっ!!? どうなっとるん？？」
すい
「……うん！ ……行こう、ついなちゃん！ 法内の八本杉へ──…！
ここで考えてても始まらない。答えは…きっとそこにあるよっ……!!!」
ついな
「うん……！」
（ＳＥ：吹雪の音。盛り上がるＢＧＭ）
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【アイキャッチ】
ついなＮ
『鬼っ子ハンターついなちゃん』！ 「滝夜叉姫と妖魔の内裏編」！
【ＣＭ枠】
すいＮ
──秋田県由利本荘市は、
出羽の富士とも呼ばれる秀麗な山容を誇る鳥海山と日本海に囲まれ、
山々からは湧水が豊富に溢れ出す、四季折々が美しい自然豊かな街です。
夏は山で登山やキャンプ、海でヨットやサーフィン、川ではボート、渓流
釣りなど、冬はスキーやスノーモービルなど、レジャースポットも満載。
そして、美味しいお米や秋田由利牛など、
新鮮な食材を使った色んな郷土料理もたくさん。
自然あふれる中で、思いっきり遊んで食べて、
満喫できる由利本荘市へぜひお越しください。
･･･ふぅ〜、すい、うまく言えたかなぁ〜。
あっ、ぜひあなたのお越しをお待ちしてますっ。
黄桜すいでした！
せばね〜♪
ついなＮ
それじゃー、後半もぜったい聞いてな♡
（前半終了）
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※CMパートの内容は、ボイスドラマ公開当時のものです。
※この脚本を用いた、門脇舞以さんらプロの声優の方々によるボイスドラマも配信しております。
ぜひご視聴なさってみてください！ https://fantia.jp/fanclubs/326
