四日目

文字数 627文字

不思議なことがあった。
いつもは寝る前になるとスマホに入っている目覚ましをセットするのであるが、休日ということもあり、思い切って電源を落としてみた。そして、そのままロッカーの中にスマホを隠した。
だが、普段の寝る前の娯楽というものを奪うと暇がやってくるのである。暇というより、日常でやってるせいで想像力が無くなって、瞑想や日記なんて思いつかなかったのである。
することがないと、勝手に色々くだらないことが頭の中を巡って目が覚めてしまいます。これは名前のない病気だと思っています。

結局、電子書籍を手に取り、暗い部屋の中、眩しさに耐えながら読書をすることに決めてしまいました。意味がないでしょう。そうとも、いくら電子書籍の明かりを暗くしても、所詮は電気であります。ですが、二時ほどになって、ようやく眠気がやってまいりました。光でも抗えない最高級の眠気です。そうして、本を枕の横に置いて目を閉じました。

目が覚めて、自分は信じられないことを目の当たりにした気分になりました。なんと、普段、目覚ましで設定している時間と同じ時間に目を覚ましたのです。多少の夜更かしをしたにも関わらず。こいつはすごい。もちろん、平日は危険が孕んでいるので、続けることは叶いませんが、自分の中で何か神秘に触れた気分です。

スマホに身を委ねたから朝は安心して起床できるのでしょう。もちろん、アラームによって不快な気分に陥りますが。それが無くなることで自分の頭は働き始めたのでしょうか。

不思議です。
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