第12話 あんこのからみ酒

文字数 678文字

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【前回までのあらすじ】
AI翻訳機によって話せるようになったあんこ(♂)。
自分の意思を人間に伝えられるけど、人間の言葉は分からない。
猫からの一方通行のコミュニケーションは人間界でどこまで通用するのか?
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今日はママが「からみ酒モード」という謎のモードを見つけた。
ママは興味深々だ。
さっそくママはあんこに「からみ酒モード」を設定した。

「ママー頭なでなでして。」

「ちょっと今忙しいからあとでねー。」

ママは洗濯物を干したかったのであんこのなでなでを断った。

すると

「へーママそんなこと言うんだー。
あー分かったーママ、オレのこと嫌いになったんだー。
絶対そうだー。
もうオレ、ママに捨てられちゃうのかなー。
悲しいなー。」

まるでスナックのママを口説くオッサンだ。

「あんこ、ちょっと待ってて!」


あんこは諦めて大きい方のヤツのところにおやつをもらいに行った。

「おやつくれる?」

「おやつね、オッケー」

あんこはちゅーるを食べて満足したが、まだお腹がすいていた。

「もう1杯くれる?」

「だめだよ、あんこ。食べ過ぎたらすぐ吐くでしょ。」

「えーもう一杯くらいいいじゃん。
なになに、俺に意地悪してるの?
あーお前、俺のこと嫌いなんだ。
そうだろー?
俺だっていろいろ大変なんだよ。
仕事も忙しいしさー、家庭も大変だしさー。
でもお前冷たいよねー。
もう一杯くらい飲ませてよー。」

「ダーメ!」



「ママー、今日のあんこ、癖の強いオッサンみたいなんだけど。」

「今日のあんこはねー『からみ酒モード』なのよ。」

「あーなるほど。オッサンはくどいよね。」
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