第5話 来客

文字数 515文字

「ピンポーン」

「はーい」
ママがドアを開ける。

「私AIテックカンパニーの山田と申します。この前動物病院でアンケートに答えて頂きましてありがとうございました。つきましては是非弊社の商品をあんこくんに使って頂きたいのですが。いかがでしょうか?」

小太りの人の良さそうなセールスマンが玄関先で概要を説明した。

「もう少し詳しい説明をお願いできますか。」

ママが山田をリビングに通してお茶を出す。

知らないヤツが来たぞ。危険だ。あんこはリビングから出て様子を伺っている。


「弊社で開発中の翻訳機なのですが、この首輪をつけて頂くだけでネコちゃんやワンちゃんの脈拍や鼓動、動作などからAIが気持ちを判断して日本語に変換して喋ります。多少のバグがあって少し言葉使いがおかしくなることはありますが、ほぼ完成しておりますので翻訳機能に問題はないと思います。」

「あらおもしろそうね、試してみようかしら」

ママはとても乗り気だ。

「では1か月モニターに参加して頂いてアンケートに回答をお願いします。」

あんこは今日から喋るネコとして生活を送ることになる。


山田が帰って行ったのであんこは危険がないかを確認し恐る恐るリビングに入ってきた。
そしてリビングで再度くつろぎ始めた。
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