第13話 あんこは中二病

文字数 766文字

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【前回までのあらすじ】
AI翻訳機によって話せるようになったあんこ(♂)。
自分の意思を人間に伝えられるけど、人間の言葉は分からない。
猫からの一方通行のコミュニケーションは人間界でどこまで通用するのか?
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「あんこ元気にしてた?」

ママは家に帰ってくるとがあんこに尋ねた。

「我は獣魔が蔓延(はびこ)るこの不毛の地に一筋の光を齎(もたら)すためこの地にやってきた。」

「あんこは世界を救ってくれるんだね。今日は何してたの?」

「我は背に携(たずさ)えし羽(はね)で大地を仰ぎ、時に襲い来るケルベロスと戦闘を繰り返した。」

「あんこ、飛べたんだね。ははは」

「我は飢餓に耐え。」

「うーん、要するにお腹が空いたってことかな?」

大きい方のヤツは困惑していたが、ママのおかげであんこの言いたいことを理解した。

今日のあんこは一味違う。

ママが「中二病モード」を設定したからだ。



あんこは小さい方のヤツと遊ぶためにおもちゃを持って行った。

「我はこの暗黒に支配された世に一筋の光を見出すために天空の神王から召喚されし獣魔神。小さき者よ、共に我と戦おうではないか。」

小さい方のヤツは「小さき者」と言われて不服そうだ。

「お前にこの聖剣エクスカリバーを授けよう。小さき者よ、さあ、お前も立ち上がる時がやってきた。」

あんこはそう言って棒のようなものを小さい方のヤツに渡した。

「えー?これあんこの猫じゃらしー。こんなので暗黒と戦えないよー。」

その後しばらく、小さき者は天空の神王から召喚されし獣魔神(あんこ)と聖剣エクスカリバー(猫じゃらし)で戦う(遊ぶ)ことになる。


あんこは疲れたので膝の上で寝ようと思ってママのところに行った。

「我は・・」

ママはあんことの会話が面倒くさくなって「中二病モード」をオフにした。
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