一文小説集「空」等三篇

文字数 176文字

「空」

　雨がやんできたが、虹を作る機械はまだ壊れているので、誰も空は見ないだろう。

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「リセット」

　社長が帰った後、社長のデスクのひきだしにある、社員がついたため息の数を数えるためのカウンターを、リセットしておく。

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「青」

　その平凡な蝶は信号機の青い光の周りを飛び回り、つかの間、自身の翅が青く染まるのを楽しんでいる。

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