一文小説集「震え」等三篇

文字数 205文字

「震え」

 買い物かごがケチャップ売り場で震え始めて、そういえばさっきトマトを入れたことを思い出す。

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「転職」

 後輩がうちの会社を辞めて、蝶を作る工場に転職するというので、蝶製造は給料少ないらしいじゃないか、と俺が言うと、彼は照れ笑いを浮かべて、カミさんが庭に花壇作ったんすよ、と答えた。

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「カエル」

 カエルがいなくなった田んぼに、「カエル」と書かれた紙片が無数に浮いている。
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