一文小説集「口直し」等三篇

文字数 173文字

「口直し」

 高級レストランで厚切りのステーキを平らげた帰り道、母は「口直し」と墓地に寄り、墓前の花を食べ始めた。

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「運命」

 その日、殺される運命にある一匹の猿のために、神様は、空に浮かぶ雲をバナナの形にした。

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「手品」

 死んだ命を生き返らせる手品を思いついた手品師が、ペットの金魚の水槽に洗剤を注ぎ込んでいる。
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