第十三話『クソハンド』

文字数 1,361文字

ハッハッハッ!

みたか、我のサーヴァントの力!

ちっ、完敗だぜ。

あの技が通用しないんじゃな……。

ダークネスと共に、もっと鍛え直す事にするぜ。

あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"……。

あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"……。

あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"……。

あ、ダークネスさんの燃料がきれた。
あれだけ必殺技を連発してからね。

ガッツ消費も激しかったみたい。

ブスッと一本いっとこう。

手馴れた動きで薬を注入するな。
それにしても、お前の召喚獣もやるじゃねーか。
おう、お前らも強かったぜ!

良かったら、また熱い戦いをしような!

フッフッフ、今度も我々が勝利をもぎ取ってくれよう。
バーバンは、ジェノと握手をした後、

ミリリとも硬い握手を交わした。

皆も良くやったな!

これは皆でもぎ取った優勝だ!

ミリリはチームのメンバーとも握手を交わそうとするが

メンバーは後ずさりしてミリリから遠ざかる。

皆、なんで逃げるの……?
いえ、その……深い意味は別に。

ただ握手する必要は特にないかなーって……ね?

ベニベニ、握手してさしあげろ。
はぁ!?

何言ってんすか姉さん!ぜってーやだし!

えっ。
だってあいつ、うんこ触ったやつと握手してるんすよ!

つまり、クソハンドですよクソハンド!

しかも手に茶色いのついてるし!!

えっ。
ミリリさんをばい菌扱いするとは何て奴。

例え手にナニがついていようとも、笑顔で握手するのが人情だよ。

これだから器量の狭い若者というのは……。


じゃあ、アンタが握手してやれよ!
絶対やだ。

ほら、とっとと握手してあげなさい。

それが人情ってもんだよ。

うぉ~い!!

人一倍人情がねえアンタが人情語るなし!

ああああああああ!やだぁー!

らめぇぇええ!うんちがついちゃうのぉおおおお!

おい、まて貴様。

ライナ様のご友人であるミリリ様を

汚物扱いするとはいい度胸だな。刻むぞ。

えぇ……。

なんで僕が悪人扱いされてるの?

酷いのは僕のご主人様じゃない?

ねえ、ライナちゃん……。

あたし、泣いていい?

うん、まあ……いいんじゃねえの?

でも手を洗ってくるまで俺に触らないでくれ。

ひどい。
さっさと手を洗って来たほうがよろしいのでは?

このままだと一生、クソハンドと呼ばれてしまいますわよ。

いや……お前もさっき、ジェノが投げたボールを

その手で触ってただろ。

あっ。
そっちもクソハンドじゃねーか!
あれ?

じゃあそのボールにぶつかったベニベニも……。


うわっ、きったな!!

さっさと風呂に入ってきて、クソキノコ。

ひどい。

こいつ本当に人間か。

そのぐらいひどい。

そいつもクソまみれじゃねーか!
なんだこいつら……。

クソクソクソクソと下品な奴等だな。

あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"……。
あの~……ところでバーバンさん。

ダークネスさんと一緒にシャワーでも浴びてきた方がいいんじゃないかな?

え、なんで?
ほ、ほら、汗かいちゃったし、

まずはスッキリしたいと思いません?

あ~、まあ、それもそうだな……。

よーし!じゃあ皆で仲良くシャワーといこうぜ!

バーバンは二人の間に入ると、

お互いの体を寄せるように二人の肩に手を置く。

ああああああああああ!!

まって!肩に手を置くのはやめてぇぇええええ!!

お嫁にいけなくなっちゃうううぅぅ!
まるで地獄絵図だな……。

さ、食堂いこ。

球技大会、ジェノの完全勝利で幕を閉じる。
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登場人物紹介

ミリリ・アルベール


15歳。

中ニ病ぎみな女の子。

よくわからない事を呟いてカッコつけているが、

事あるごとに素の口調に戻ってしまう。

また、友達と一緒の時も素の口調であることが多く

中ニ病に入門したてと言ったところ。

胸が小さく、そこを突っ込まれると怒る。

幼い頃、猫の集団に襲われたことがあり、猫は大の苦手。

見かけるとトラウマが蘇ってヘタレる。

ジェノ・サインダー

『我が操るは、混沌から現れた強大な悪夢』

ミリリの相棒である魔物。

形容しがたい形と色と感触をしている。

強大な悪夢、というのはあながち間違いではない。

すし屋の大将で、歴戦の戦士という

よくわからない経歴を持っている。

ネオン・ライナーン


15歳。お金持ちのお嬢様。

事あるごとにミリリに嫌味を言ってくるミリリのライバル的存在。

……と本人は思っているがミリリには影が薄いと思われており、

その存在を中々覚えてもらえない。


自分の相棒は世界一の魔物と思い込んでおり、

色々な生徒に自分の相棒を自慢して周っている。

生徒達からは『何言ってんだこいつ』という目で見られているが、

本人はそのことに気づいていない、ある意味幸せな子。

金持ちの癖に頭が悪い。

ローズマリー


ネオンの使い魔。♀。

顔に合わない口調で喋る壺。

壺なので割れると絶命するが、

破片を集めると生き返ることができる。

ライナ・バーバレン


ミリリの友達。

中学生の時から一緒で仲が良い。

男のようなガサツな言葉遣いをして、

下品な言葉も平気で口にする残念な女の子。

めんどくさいことが大嫌いで、

自分の使い魔の名前すらも適当につけてしまった。

やることなすこと大体適当。

マンマルー


ライナの使い魔。

ライナに絶対的な忠誠を誓っている。

基本的に温厚な性格だが、ライナを侮辱する者や

攻撃する者には口調が荒くなり容赦がなくなる。

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