第九話『魔法の薬』

文字数 1,478文字

ドッジボールの試合で連戦連勝し、

ついに決勝戦へとコマを進めたミリリ達。

さて、ついに決勝ですぅ~!

1-Cチームと1-Bチームの皆さん、並んでください。

どうせまた不戦勝じゃないんですの?
いや、そうも行かないみたいだぜ。
あ、ライナちゃん。

決勝まで勝ち進んだんだ。

ああ、お前らと違って試合をしてな。

出来ればお前らとは当りたくなかったが、

ここまで来ちまったらしかたがない。

決勝まで勝ち進むとは、さすがはジェノ様とミリリ様ですね!
フッフッフ。当然の結果だ。

我のサーヴァントは最強なのだからな!

何もしてないから……。
お前たちが俺様の最後の相手か!

俺様の名前はバーバン・アイリッシュ!

この学園のドッジボール部に所属する

ドッジボールでは負けなしの最強の女だ!

何だこいついきなり。

聞いてもないことペラペラ喋りだしてるし……。

頭がかわいそうな人かな?
否定はしねーがお前も似たようなものだぞ。
えっ。
今までの相手は弱いのなんの、全く張り合いがなかったからな!

お前たちは精々俺様を楽しませてくれよ?


ほっほー。随分と自信がありそうじゃねーか。

だがな、ねーちゃん、俺たちだってそう簡単に

この戦いを勝ち抜いてきたわけじゃあないんだぜ?

うむ、その通りだ!

我のサーヴァントをそう易々と倒せると思わないことだな!

それはギャグで言ってるのかしら?
ほー。

そいつがお前の召喚獣か。

ぬう、あれを見て眉一つ動かさず、全く動じないとは……。

大物か……またはバカなだけか。

それじゃあ、俺様の召喚獣も見せてやるぜ。

言っておくが、並みの獣だと思うなよ?

あの自信……。

相当なサーヴァントを引き連れていると見える……!

さあ、出てやがれ!

ロード・オブ・ダークネス!

あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"……!

……。
……。
どうだ、俺様の召喚獣、ロード・オブ・ダークネスは!

睨まれただけで腰が抜けちまうような迫力だろ?

あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"……!

あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"……!

……あの。
なんだ?
今にも死にそうな顔してるのですが……。
は?

何言ってるんだお前。

奴の今の調子は絶好だぞ。

なあ、ダークネス。


あ"あ"あ"あ"あ"あ"い"い"い"い"い"

せ"っ"こ"う"あ"あ"あ"あ"あ"あ"……!

あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"……!

呪怨かよ……。
確かに闇夜の中で

この子を見たら腰を抜かすかもしれませんわ……。

ハッハッハッ!そうだろそうだろ。

皆、こいつを見て怖がっているからな!

うん、まあ……。

あたしのサーヴァントとは別のベクトルで怖い。

あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"……。

あ"あ"あ"あ"あ"あ"……。

あ"あ"あ"あ"あ"あ"……。

あ、やばい。燃料不足だ。

悪いがちょっと待って。

バーバンは、ポケットの中から注射器を取り出すと、

ダークネスの腕に注射針をさして中の薬を血管に注入した。

これでよし……。

待たせたな!さあ、試合をおっぱじめるとしようぜ!

ちょっと待て。

今、奴に何を注入した。

何って……。

ただの栄養ドリンクだけど?

あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"……。

あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"……。

あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"……!!

ほらな?元気一杯だろ!
いやいやいやいや。
それ100%栄養ドリンクじゃないよね?

お互い、準備完了のようですねぇ~。

では、試合開始しますよぉ~!
おい……。

ちょっと先生、おい……。

試合開始する前にすることあるだろ……。

我々の連続不戦勝に何の疑問も抱かない先生に

何をいっても無駄かと思われます。

私はもう諦めましたわ。

決勝戦、開始!
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登場人物紹介

ミリリ・アルベール


15歳。

中ニ病ぎみな女の子。

よくわからない事を呟いてカッコつけているが、

事あるごとに素の口調に戻ってしまう。

また、友達と一緒の時も素の口調であることが多く

中ニ病に入門したてと言ったところ。

胸が小さく、そこを突っ込まれると怒る。

幼い頃、猫の集団に襲われたことがあり、猫は大の苦手。

見かけるとトラウマが蘇ってヘタレる。

ジェノ・サインダー

『我が操るは、混沌から現れた強大な悪夢』

ミリリの相棒である魔物。

形容しがたい形と色と感触をしている。

強大な悪夢、というのはあながち間違いではない。

すし屋の大将で、歴戦の戦士という

よくわからない経歴を持っている。

ネオン・ライナーン


15歳。お金持ちのお嬢様。

事あるごとにミリリに嫌味を言ってくるミリリのライバル的存在。

……と本人は思っているがミリリには影が薄いと思われており、

その存在を中々覚えてもらえない。


自分の相棒は世界一の魔物と思い込んでおり、

色々な生徒に自分の相棒を自慢して周っている。

生徒達からは『何言ってんだこいつ』という目で見られているが、

本人はそのことに気づいていない、ある意味幸せな子。

金持ちの癖に頭が悪い。

ローズマリー


ネオンの使い魔。♀。

顔に合わない口調で喋る壺。

壺なので割れると絶命するが、

破片を集めると生き返ることができる。

ライナ・バーバレン


ミリリの友達。

中学生の時から一緒で仲が良い。

男のようなガサツな言葉遣いをして、

下品な言葉も平気で口にする残念な女の子。

めんどくさいことが大嫌いで、

自分の使い魔の名前すらも適当につけてしまった。

やることなすこと大体適当。

マンマルー


ライナの使い魔。

ライナに絶対的な忠誠を誓っている。

基本的に温厚な性格だが、ライナを侮辱する者や

攻撃する者には口調が荒くなり容赦がなくなる。

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