第5話 R20作品と性教育

文字数 1,835文字

エロが気になって、他の小説投稿サイトはやめたと書いた。

ついでにR18サイトにも掲載していたが、そちらも作品を引き上げた。
R18サイトまでと言われそうだが、文字で楽しみたいところにエロ画像広告がババンと出てくるのは、やはり気になってしまった。あと、R18作品を全年齢サイトに載せている人と同じ場所に、自分の作品を置きたくないなと思った。


やめる前にゾーニングについて書き綴り、何人かとやり取りした結果。
本当に嫌になってR20に作品のレーティングを引き上げたくなった。
私が大人になった時はR20だった。中にはR21なんてものも見かける事があった。今ではR18がほとんどでR20もR21も見かけない。なぜ『20歳なのか』と言われそうだが、それが大人の基準だったからとしか言えない。

さらに色々と調べていると、R30ぐらいにしたい気分になってくる。

性教育がしっかりとなされているならばR18でも問題はないだろうが、初めて出会う性知識はアダルト作品。そんな社会でR18なんてものは何の意味もなさない。R20も同じだ。

となると、20歳代の時間にある程度の正しい性知識を自分で仕入れたり、経験して30歳ぐらいでぼんやりと『性教育』の輪郭が見えてくるのが今の時代なのではないだろうかと思う。
ただここに、性差が出てくる。

女性は妊娠出産で性に関しての知識がぐんと増えそうだが、男性は全く仕入れる必要もなしに年だけを取る。教えてくれる女性に出会えれば奇跡だが、そんな奇跡に頼ってレイテイングを決めたくはない。
差別と言われようが『男性お断り作品』と銘打ちたい気分にすらなる。


さらに考えると、正しくは『性教育履修済みの人のみ閲覧推奨』かもしれない。
年齢で区切る事に意味はないし、性別で区切る事にも意味はない。必要なのは知識だ。
R18作品の問題点を理解した上で、それでも『創作』として楽しむ人にだけ楽しんで欲しい。

性教育の基本には『人権教育』がある。性教育を受けているという事は人権についても理解しているという事になるが、日本でその教育は期待できない。


暴力作品はどうなのかと言われそうだが、こちらについては殺人や暴力は違法行為という知識を大半の人が得ている。
DVという言葉まで広がり、恋人や夫婦の間であっても暴力は犯罪になるという認識は大半の人が持っていると思われる。肉体的な暴力については、子供でさえ知識があると思うので、性表現よりは問題が小さいと思う。

問題なのは精神的な暴力だが、こちらについては曖昧な点も多くて私自身が『どのような作品が精神的暴力の作品と言えるのか』が分からないので、何とも言えない。

ゾーニングを訴えると、『エロ嫌いだからだろ』とも言われたがエロ嫌いかどうかは関係がない。
それとは別に『ゾーニングを訴えている人間がR18を書いているなんて矛盾している』という意見も見かけた。
どうやら一部の人たちは『ゾーニングを訴える人=エロ嫌い』だと思っているようだ。
R18作品を書くからこそ、その危険性を理解して『ゾーニングが必要』と訴えているという事を伝えることから始めなければいけないことに、頭が痛くなる。


暴力作品が『相手の権利を侵害している』と分かりやすいのに対して、性表現の大半が『相手の権利を侵害し、人間としての尊厳を奪っている』という事が分かりづらい表現が多い。
分かりやすく言えば、包丁で相手の腹を刺す表現は『相手を人間としてみていないからできる事である』という事が分かりやすいのに対して、陰茎が膣に挿入される表現は『愛があればいい』と許される。性感染症、中絶、妊娠、後遺症、必要な知識は多岐にわたるはずなのに、それらが書かれている作品はごく稀だ。

愛などよりも必要なのは知識。
レイプが愛として書かれている作品が多い事に、私はうんざりしているがそう言ったところで『エロ嫌いだから』と言われてしまう。レイプ嫌いがエロ嫌いになるなら、それでいい。
私はR18作品としてレイプ描写を書くが、それはちゃんと『レイプ』と分かって書いている。それを『愛』だと思って読む読者は要らない。

早く性知識が広がって、R18をR18として楽しめる読者が増えてほしい。

全年齢やR15に性行為描写があるのは論外だが、性教育が子供に与えられて、小学生でコンドームの付け方を知っている時代になれば、R15で軽い性行為描写はありかもしれないとも思う。

早く時代が変わらないかな。私もいちいち『これどうかな』と思いたくない。
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