第2話 私の為に読む作品

文字数 1,026文字

私は他人の作品を自分が『書く事を』学ぶために読む事が出来ない。
理由は私の好みが激しいからだ。好きなものでなければ受け付けない。
さらに、本当に好きだからこそ『学ぼう』という意識で読みたくない。

ツイッターで『小説を書く勉強のために、あなたの作品を読ませてください』というのを見かけながら、すごいなと思う。

まず、勉強のためにどんな作品も読むその姿勢と意欲には脱帽する。
ただし、その為に必要なスキルはあるのだろうかと疑問も湧く。

・他者の作品を自分の好みを排除して、読む事が出来るか。
・自分が学びたいと思っている点を理解できているか。
・学びたい点において他者の作品を分析する力があるのか。

私にはない。
好きな作品はただ楽しく読みたい。

ただし、好きだと思った作品を知らないうちに取り込む事はある。文体や表現などが知らず知らずのうちに似てしまう。そして、自分の作品から離れてしまった……と思う事があった。
そんな時は必死で修正をかけるがどう頑張っても抜けないので諦める。時間が経つといい感じに薄れていくので、ずっと好きだった作品に染まることはないが染まるのが嫌だ。


さて、勉強のために他者の作品は読めないと書いたが、最近嫌いだと思った作品から色々と学んだ。
嫌いだからこそ、『何処が嫌いなのか』を考えて読んでしまう。


嫌いな作品はエログロだった。
エログロは好みだが、女性蔑視の視点で書かれているエログロ作品が耐えられない。
『時代だから』と思えばいいのかもしれないが、世界観が現代に近いものだったり、男女平等な世界を描いているつもりで女性蔑視の視点があちこちにあるというものが無理だった。
いっそきっぱりと女性差別の世界ですと書いてくれた方がありがたいが、恐らく彼らの中ではあれは『日常』であり『男女平等の世界』なのだろう。という事がわかった。
と同時に、マジョリティ視点ではマイノリティは書けない。もしくは、書く事が難しいという事がわかった。

それはおそらく、私も同じなのだろう。
私から見たマイノリティの話は監修でも付けない限り書けない。作者は作者の視点を越えて、物語を紡ぐことは不可能なのだという事が嫌いな作品から理解できた。一人で書く小説は特に『作者の価値観』が反映されやすい。というのも見かけた。

一人で作り上げる作品は、作者自身が作品に浮かび上がってくる。
それを『嫌いな小説作品』から、思い知った。

嫌いな作品と書いたが、『物語に没頭できなかった』というのが正しいかもしれない。
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