第1話 小説作法を捨てる

文字数 1,301文字

小説作法は要らないと私は思っている。

いや。間違っていても指摘しない事が美しいと思っている。

というのも、私が気に入った作品で小説作法が無視されていたものがあった。そこに『小説作法は守った方がいいですよ』という無粋なコメントがあって萎えたからだ。
個人的には『だったら読むな』と部外者ながら思ってしまった。

そして、私の小説も作法が守られていない。
初期作品は、字下げをしたが元のデータは字下げすらしていなかった。今は便利で、一気に下げる事が出来るが、当時はそんなものを気にしてるよりもただ『書きたかった』からだ。字下げや作法を無視してでもただ書きたかった。
ドリームシリーズはそうやって書かれた。作法は一通り調べたが、守る気にならなかったのだ。

作法を守るよりもただ『書く』だけの作品があっていいと私は思う。

だがここに、さらに『知っていて、わざとそうしているのならばそれでいいのではないか』というわけ知り顔の意見もみかける。
私は、作法を知っていても知らなくても『書け』と思う。そして、それについて第三者がうるさく言うな。

読者が書くわけではない。書きたくて書かれている作品に『作法』など無粋なものを持ち込んで欲しくはない。


ついでに上記に書いた「小説作法ではこうですよ」と言われた作者さんは、その点を変えることなく小説を書き続けている。素敵すぎて、小説だけではなくて作者さんにも惚れてしまいそうである。





小説作法なんてどこへやらのケータイ小説が一時期流行していた。私は好きではなかったが、あれはあれでありだと思うし、やはり小説作法は後からどうとでもなるのだと思う。
さらに言えば、小説作法と言われているものの大半が『出版時の都合によりできたルール』のようなので、ネット小説ではそれほど気にしなくていいのでは? と思う事が多々ある。

空白を大目に開けるというのもネット小説ならではのような気がしていたが、これはパソコン閲覧時の想定らしくスマホ閲覧はまた違うらしい……とどこかで見た。もう、何が何やら。何が『読みやすい』のか、さっぱりわからない。

結局、作者の読みやすい改行と空白と書き方でいいと思う。
作法を気にして書けなくなるくらいなら、作法を無視して書き続ける。そっちの方がいい。


時代や閲覧機器が変われば、読みやすさ、見やすさ、ルールすら変わる。それを頭に入れると、『小説作法では、こうですよ』というのは、ただの野暮である。



ノベルDAYSでこんな事を書くのは不適切だろうなとも思うけど、書いてしまった。
NOVEL DAYSは公募組やセミプロが多そうなイメージで、こんな趣味話は合わないだろうな。もちろん、公募では小説作法は大切なのかもしれないけど、今は『ネット上で読まれた後で修正する』のもありと知ったので、やはり作法は要らないと思う。


そんな風に書きながら、私も少しずつ『こっちの方が読みやすいかも』と作法を取り入れるようになってしまった。『・・・』も今では使わなくなってしまって、初期作品の・が懐かしくさえある。あの頃はこのリズムが好きだったのだけど、今はそれが『リズム』だと思えなくなってしまっている。時間の流れは残酷だ。

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