第12話 注意書き

文字数 2,204文字

プロフィールに『成人推奨作品』という注意書きを書いてみた。

別にアダルト作品でもなければ、R18要素もない作品ばかり。未成年の時に書いたものが半分ほど混ざっている(新作をまだ載せてない)ので、さらに言えば未成年者が読んでもさほど害はない……はずだと思っている。
一部差別表現があるけど、それはアトガキやあらすじ部分に注意書きを入れている。差別表現が入っているのは私が差別社会で育ってそれを鵜呑みにしていたからだ。

まだ差別が何かを仕分けしきれているとは言えないし、未来の人が『この作品は差別社会の中で書かれたもの』とするかもしれない。それはそれで構わないし、そこまで作品が残るなら本望だが、残念ながら私の作品は未来には届かない可能性が高い。

なぜわざわざ『成人推奨作品』と書くかと言えば、小説サイトはアダルトサイトにならないという意見を見かけたからだ。これは『サーバーの規約』を基にしているようで、法的にどうという話ではない。しかし、R18作品を置いてあるサイトをアダルトサイトと言う場合もあるので、この場合は広義と狭義の意味の違いなのだろうか。

小学生が登録しているR18作品閲覧サイトがこのサイトだ。もちろん、ここだけではないし、そのような小説投稿サイトは他にもある。ここではないが、未成年者にR18作品の投稿を呼びかけているサイトまであって、唖然としてしまったことがある。青少年保護法では『未成年者に不適切なものを閲覧させてはいけない』が『作成してはいけない』とは書いていないから、『未成年者のR18作品の投稿禁止は表現の自由の侵害になる可能性がある』らしい。……意味不明ですね。見る事はだめなのに、他人に見せるの良いってどんな読解力でそうなるのだろうか? 


……言葉遊びなのだろうかと首をかしげてしまう。

そして、どうせならその遊びに乗ってしまえという事で『成人推奨作品』となっている。別に未成年者に読むなとは言っていない。読みたければ読めばいいし、インターネットはそういう世界である。

成人推奨だからと言って、成人向けとして書かなければいけないルールもない。
ルールは『未成年者に不適切なものを見せてはいけない』というだけで、文字の場合はそれに当てはまらないから、何を書いても見せてもいい……という価値観の人間が増えただけである。

そうかと思えば、ゾーニングを訴える人がR18作品を書くのはおかしいと言い出す人までいる。元々、ゾーニングはR18作品を書く人たちが訴えていた事で、子供に見せない場で表現の自由を最大に守るものだったはずなのに、いつの間にかゾーニングが表現規制になり表現の自由の侵害になっていることに驚く。

そして、最近になって、ずっとあこがれていた作品の作者さんが、児童への性虐待作品について『自分と同じ子供たちがいると作品を読んで思ってもらえるから、性描写は必要』といっている記事を見つけた。私はそれまでその作品が好きだったが、一気に冷めた。性虐待の描写が具体的で問題になった作品でもあったけど、あれは『性虐待はそれだけひどい傷を当事者に残す』という事を伝えるためのものでもあると思っていた。それが、被害者が自分だけではないと思うためのものだなんて冗談ではない。
作品自体に救いはなく、被害者は自殺のような形で事故死をするのだから。そんな作品で『自分だけではない』と思ったところで、『このキャラクターのように死を選んでもいいのかもしれない』と思わせるだけではないのか。

性描写を書くための言い訳を被害者に擦り付ける姿に吐き気がした。掲載紙が子供向けだというのに、それはない。

インターネット上では基本的にR18やアダルトサイトの明記がない限り、未成年者の閲覧も可能であるし、未成年者が見ることを想定してサイトは作られている。しかし内情はほぼ『未成年者不在』の設定でサイトが作られている。

昔のように設定しないとR18作品にたどり着けないという事はない。むしろ、R18をわざわざ外さないと検索に引っかかる仕様サイトがほとんどだ。見たい人がフリーパスで作品にたどり着くのに、見たくない人はわざわざ設定しなくてはいけない。その作りがすでに『未成年者非推奨』であり、『成人推奨』のサイトだ。ついでにこのサイトはR18タグ除外設定も見当たらないので、未成年者非推奨だと思う。

言葉遊びになるので『アダルトサイト』かどうかは、どうでもいい。基本的にアダルトサイトは『成人向けサイト』ということになり、サーバーがそう設定しているかどうかという話で言い出す人間がいるので、話がズレる。
成人推奨=未成年者には不親切設定
全年齢サイト=未成年者推奨=未成年者も安心して見れる設定 (R15・R18作品を設定しないと見ることができない)
pixivやなろうがそれになるが、どちらも古参で『苦情がたくさん来たから、対応してきた』という側面もある。新興サイトが対応しなくなってきているのは、『法的根拠がないから』と苦情非対応で収益目的なのかなと思う。

ノベルディズはどちらでもなくて、最初から『大人(セミプロ)の募集』である程度の質を保ってきた結果なのかなとは思うけど、人が増えたら雰囲気も変わっていくだろう。もしくは過疎化してサイトごと消える可能性もあるので、どっちなのかなと思っている。この状態がひっそり続く可能性もあるけど、よくわからない。
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