第十四の謎 始球式

文字数 655文字

 始球式といえば、有名人がマウンドに立ち、一球だけピッチングするという、完全に話題性のためだけのイベントと思われる。
 それでもニュースやワイドショーで取り上げられたりすると、多少なりとも盛り上がるだろうから、別にいらないと言っているわけではない。
 そもそも始球なのだから、第一ラウンド(一回表)の一投目のはず。
 なのに、試合には全く影響がなく、そのうえアイドルの大暴投に対して、わざとらしい空振りでお茶を濁すとは、茶番もいいところだ。
 仮にも始球であるからには、正々堂々と勝負すべきだはなかろうか。スポーツマンシップはどこへいったと言いたい。
 かといえ、所詮にぎやかしに過ぎないイベントに、真剣勝負しろ! ……とまでは言わないが、あくまでもエンターテイメントだと割り切るのであれば、始球式というネーミングはただちに辞めてもらいたい。
 『投球イベント』、『デモンストレーション』、『エキシビジョン』、『なんちゃってピッチング』、『ボール投げコント』など、相応しい名称はいくらでもありそうだ。

 それに始球式といえば、ミニスカ衣装の女性アイドルが欠かせない。
 もし、そのアイドルがノーバウンドで投球しようものなら、『人気アイドルの〇〇。奇跡のノーバン投球!!』などの見出しが紙面やネットに躍る。まるでわざとノー

ン(ノーパンティ)と誤解させるかのように。
 今どき、そんな姑息な手に乗る人などいない……と思いきや、未だになくならないところを見ると、意外と効果があるのかもしれない。

 もちろん、私もその中の一人なのだが。
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