第十五の謎 二刀流

文字数 766文字

 最近、メジャーリーグにおいて、大谷翔平氏の活躍が目覚ましい。野球に詳しくない私でさえも、彼を称える海外メディアの声を聞くと、なんだが誇らしく思えてくるから不思議だ。
 中でも、彼が二刀流であることは、以前から取りざたされている。
 言うまでもなく、ピッチャーとバッター、それぞれにおいて共に好成績を残すという、異例の快挙である。
 最初に二刀流と聞いた時、さすがに刀が云々とは思わなかったが、大谷氏はバットを二本同時にスイングするのだとマジで思った。
 だが、実際は前述した通りだ。
 つまり、二つのことを同時に達成することを、宮本武蔵のそれにならい、

と呼んでいるに過ぎないのだ。
 だとすれば、私もそうだと胸を張ることが出来そうである。
 自転車も自動車も運転できるし、洋食も和食も、どっちもイケる。
 パソコンでブログを眺めながらYouTubeで音楽を聴き、さらにスマホでメールチェックすると同時に、コミックをめくりながら、鼻クソをほじることだって朝飯前だ。
 大谷氏が二刀流と呼ばれるのであれば、私など四刀流、五刀流を名乗ったところで、何ら問題ないはずである。
 さらにいうと、『リアル二刀流』が流行語大賞を取った。

 本当(リアル)の二刀流は、それこそ宮本武蔵しか知らないのだが……。


 その他にも、最近のプロ野球のバッター用ヘルメットの耳当て部分が妙に長くなって違和感が半端ないとか、メジャーリーグの試合で、ストライクゾーンがCGで表示されていて、まるでパワプロみたいだとか、デッド(死の)ボールなのに、本当に死ぬ人はまず

とか、消化試合という名称がネガティブ過ぎたりだとか、イニシャルを強引に入れ込んだため、飛びぬけて可愛くないデザインとなってしまったジャビットなど、枚挙にいとまがない。

 野球とは、本当に謎に満ちたスポーツである。
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