第5話
文字数 586文字
雫は東京に出てきてからの友達で、
今一番話すことが多い子だ。
涙が出そうになるのをぐっとこらえる。
……お金がないので当然電車にも乗れず、
結局、雫のバイト先まで来るのに
歩いて3時間くらいかかってしまった……。
やっとついたのは雫のバイト先である
ショッピングセンターファッション街。
ジャージとスリッパで歩くには死ぬほど勇気がいる場所……。
しかしそんなこと気にしているような場合、テンション、ではなかった。
私はさっそく雫を探すことにした。
おろおろする雫。
雫は、本気で困っているように……見える。
お客さんから声がかかったのを理由に、
雫はそそくさと売り場に戻って行ってしまった。