第20話
文字数 737文字
私は二階の自分の部屋へと向かった。
……部屋には私の荷物があった。
お気に入りの本や洋服、そして家具。
……だけれど見慣れない物もちらほら混じっている。
例えば机の横のコルクボード。
……そこには数枚写真がプッシュピンでとめられていた。
階段を降り、台所にいる母親に尋ねる。
パパとママは顔を見合わせる。
紗奈は一体どうしたんだ?という表情。
トントンと階段をのぼる。
そもそもこの部屋……”私の部屋”は入ったとたん違和感があった。
そう……”生活感”がありすぎるのだ……。
ついさっきまで、誰かが暮らしていたような……。
そして私の物のようなものもあるが、そうでないものも混じっている。
ここは私の部屋なようで……
私の部屋じゃない……。
流石にただ事ではない何かを感じ取っていた。
本棚から取り出してみると、表紙も、裏表紙も、外側全てが真っ黒だった……。
その本が何故かとても気になり、パラパラと数ページめくってみる。
そこには文字は解読できないが、
謎の儀式のようなもののイラストと、
悪魔……のようなイラストが描かれていた。