第34話

文字数 993文字

それじゃ……始めー!!

私は……”パラレルワールドの私”と戦うことになった。


ずっとフェンシングをやってきたので

実戦にそこまで逃げ腰にはならなかった……のだが。


……そんな……強い……。


うっ……

ガクっと膝をつく私。


紗奈ちゃん……!!
はぁはぁはぁ……

(そ、んな……


どうして……どうして勝てないの。


この世界で……ずっとがんばってきたのは、私……なのに……。



夢を追って


ずっとがんばってきたのに……)

ごめんね?この世界の私

パラレルワールドの紗奈に、

上から冷たく言葉を吐きかけられる。

ね、もしかして、


ここの世界の紗奈ちゃんは、


恋を知らないんじゃない?

ラビスが言う。
恋……?
そ、だからパラレルワールドの紗奈ちゃんより弱い
……

私は、りっちゃんがいないと……ダメなの。


りっちゃんへの想いなら……負けない

そういうとパラレル紗奈は私の体に


”想いの強さの具現化”であるソードを突き立てた。

ぐっ……



ごほっ

体に電撃が走る……。



意識が……遠のく……。




……”ドサッ”……



私は地面に倒れ込んだ。


体が……動かない……。

紗奈ちゃん……!!

(私は……恋を知らないから……


負けるの……?



……確かに……燃えるような恋の体験はしたことない……


いいな、とかドキッとすることはあっても……)

恋、恋かぁ……


あ、そうだ♪


紗奈ちゃん、ちょっとそいつのこと好きそうだよね?


その四角の中にいるやつのこと。


もし負けたら

そこのそいつ、殺しちゃうっていう条件どう?



だって、そいつ生きてたら、


僕がいくら「あっちの世界の紗奈ちゃん」の勝ちだって言ったって、


そいつは世界の交換を認めないでしょう?

当たり前だ……!

紗奈ちゃん?


本気でやらないと、そいつ死んじゃったりね?


どう、本気になってきた?


名付けて、恋の力対決!


どう?よくない?あはは!

何がプラスされようと

私のりっちゃんへの愛に勝てるわけないわ

パラレル紗奈はそう言うと、


再び私に襲い掛かってきた。

ぐっ……。


はぁはぁ……

(……紗奈……強い……。


これが愛の力……?



……でも……)

……でも……あなたの愛したりっちゃんは……


似てるけれど、この世界のりっちゃんじゃないんだよ……


あなたと私がどこか違うように……。



あなたの世界のりっちゃんは……


あなたのりっちゃんは……。



この人じゃないんだよ……。


違う人なんだよ……

……っ!

その言葉に、パラレル紗奈は酷く動揺したようだった。



その瞬間、私のソードは


パラレル紗奈の体を貫いた……。


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登場人物紹介

星崎 紗奈 (ほしざき さな)


17歳 専門学生


本編の主人公。


成瀬 律 (なるせ りつ)


18歳 高校3年生


紗奈の幼馴染。

紗奈には”りっちゃん”と呼ばれている。

カナト

ラビス

大家さん

(その他人物)

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カナト

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