第34話
文字数 993文字
私は……”パラレルワールドの私”と戦うことになった。
ずっとフェンシングをやってきたので
実戦にそこまで逃げ腰にはならなかった……のだが。
ガクっと膝をつく私。
パラレルワールドの紗奈に、
上から冷たく言葉を吐きかけられる。
そういうとパラレル紗奈は私の体に
”想いの強さの具現化”であるソードを突き立てた。
体に電撃が走る……。
意識が……遠のく……。
……”ドサッ”……
私は地面に倒れ込んだ。
体が……動かない……。
恋、恋かぁ……
あ、そうだ♪
紗奈ちゃん、ちょっとそいつのこと好きそうだよね?
その四角の中にいるやつのこと。
もし負けたら
そこのそいつ、殺しちゃうっていう条件どう?
だって、そいつ生きてたら、
僕がいくら「あっちの世界の紗奈ちゃん」の勝ちだって言ったって、
そいつは世界の交換を認めないでしょう?
パラレル紗奈はそう言うと、
再び私に襲い掛かってきた。
……でも……あなたの愛したりっちゃんは……
似てるけれど、この世界のりっちゃんじゃないんだよ……
あなたと私がどこか違うように……。
あなたの世界のりっちゃんは……
あなたのりっちゃんは……。
この人じゃないんだよ……。
違う人なんだよ……
その言葉に、パラレル紗奈は酷く動揺したようだった。
その瞬間、私のソードは
パラレル紗奈の体を貫いた……。