第16話
文字数 423文字
案内された部屋にりっちゃんはいなかった。
代わりに静寂に包まれた部屋に……
りっちゃんの写真……。
そしてりっちゃんの写真の前には……お線香が……。
くらっとめまいがした。
動揺を隠し切れない私。
おばさんがこちらをみて少し戸惑っているのを感じる。
……自分の体から、どんどん血の気が引いていくのが分かった。
私はふらふらと玄関に向かう。
おばさんの呼ぶ声もかまわず、私は家の外へと飛び出した。