第8話
文字数 796文字
さっき会ったばかりだというのに、
男の人は私をレストランへと連れてきてくれた。
……もちろん少しは警戒したけれど、
雪降る真っ暗な公園に一人でいるよりは……
優しく声をかけてくれたこの男性を……信じてみることにしたのだ。
突然現れた、この天使のような男性は自分のことを
カナトと名乗った。
おいしそうなご飯が並べられる。
空腹がピークに達していた私は、
さっそくご飯を口に運んだ。
優しく微笑むカナトさん。
その表情にドキッとなる。
ご飯をお腹にいれ、少し落ち着いてきた私は、
そんな感情が、段々と芽生え始めてきた。
お腹は満たされた。
……でもこれからどうしようか……。
……何かする気力も帰る家もない……。
よっぽど弱り果てた顔をしていたのか、
カナトさんは優しく声をかけてきた。
そう言うとカナトさんは
ここの近くにあるホテルに電話をしてくれた。
幸いホテルの予約はとれ、そこへと向かうことになった。