青い薔薇　　

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　いつも乗るバス停の反対側にある駅前の花屋で、妻への贈物に青い薔薇を一輪買った。
　隣の「幸せ買取屋」で心が動いた。
　振り切って少し先にあるケーキ屋に飛び込んだ。
　ショートケーキを二個買って外に出る。

　日暮れはいつもよりゆっくりと訪れていた。
　今までに何回も通っていたのに、あの店に気がつかなかった。
　この日の、この時間でないと現れなかったのか、それとも私が見ようとしなかったのか？

　バス停まで戻るには、もう一度あの店の前で試されることになる。
　私は次の停留所まで歩くことにした。　　　　　　　

（注・青い薔薇の花言葉「夢かなう」）