(三)-2

文字数 245文字

「でも他の男とも会っているんでしょ」
「ただの友達よ。しつこく会おうって言われて……」
 彼女はそう言いながら顔を背けた。彼女にとって聞かれたくないことだったのだろう。もしかすると、図星だったのかも。
「それを信用しろっていうの?」
「そうよ。嘘じゃないもの」
 彼女はそっぽを見ながらそう言った。そして言い終わってから、目線だけでこちらを見た。僕のことを探るように。

 なんとなく釈然としないまま、その日はお互いにベッドの上と下で眠った。彼女は下でもいいと言ったが、僕が下で寝ると言い張った。

(続く)
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