(四)-3

文字数 253文字

「覚悟? 誰かに殴られたりとか、暴力団とつながっているとか?」
「いや、一生添い遂げる、みたいなそういうのだ」
 返ってきた答えは予想に反して比較的健全なものだった。添い遂げる、つまり結婚して一生をともに過ごす、ということだ。彼女はそんなに結婚願望が強いのか。
「なんで僕なんだと思う?」
 特に意図なくそう尋ねてみた。本当に口から勝手に出た、なんとなくの言葉だった。
「知らないのか。あいつ、男についてはきっちり下調べしているらしいぜ」
 そうなのか? だから彼女は見ず知らずの僕に警戒心を抱かなかったのか。

(続く)
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