『カラテカ』、なぜか推理する方向に追い詰められる。
文字数 696文字
『王様』は、私の方に視線を移した。
よく見ると『聖女様』も。そして、『ゲーマー』までもが。なぜ、私なの?
「ビルの壁を登ったとか? 突起があれば登れないこともない……かな?」
「ビルには窓はあったけれど、あの人の大きな体を支えるような突起はなかった」『ゲーマー』はすぐに否定した。「それに、私は、あのとき、空の方もちゃんと見たよ。誰もいなかった」
「……忍者みたいに黒っぽい服だったら、夜に紛れたんじゃないのかな?」
「窓から光はいくつか漏れていたから、そこまで真っ暗じゃなかった」
「じゃあ、穴を掘った。空き地に穴を掘って隠れた」
「空き地には、何かが激しく動いた跡はないって云ったよ……。それに、穴を掘るのには逃げるのに時間がかかる」
「忍者なら、一瞬の内に穴を掘って逃げられるよ!」
冷たい視線を感じる。なんで、私が追い詰められているの?
「そ、そうだ。ビルとビルの間に隠れることができるはず。複数のビルに囲まれていたんだから、隙間だっていっぱいあるもの」
「ビルとビルの間の隙間はほとんどないって云ったはずだよ」『ゲーマー』は冷静に反論してきた。「数少ない隙間も、とても狭かったのも云った……。空き地の周りのビルだってそうだし、来る小道でも同じだった」
「す、隙間女というもの存在するらしいよ」
「忍者の次は都市伝説? ……これだから、フィクションと現実を区別できない人間は困るわね」
『王様』は、辛辣な言葉を投げつけてきた。え、区別できていないのはそっちじゃないの?
「人の話にケチばかりつけて、あなたはどう思うの?」
「簡単に考えれば良いのよ」
よく見ると『聖女様』も。そして、『ゲーマー』までもが。なぜ、私なの?
「ビルの壁を登ったとか? 突起があれば登れないこともない……かな?」
「ビルには窓はあったけれど、あの人の大きな体を支えるような突起はなかった」『ゲーマー』はすぐに否定した。「それに、私は、あのとき、空の方もちゃんと見たよ。誰もいなかった」
「……忍者みたいに黒っぽい服だったら、夜に紛れたんじゃないのかな?」
「窓から光はいくつか漏れていたから、そこまで真っ暗じゃなかった」
「じゃあ、穴を掘った。空き地に穴を掘って隠れた」
「空き地には、何かが激しく動いた跡はないって云ったよ……。それに、穴を掘るのには逃げるのに時間がかかる」
「忍者なら、一瞬の内に穴を掘って逃げられるよ!」
冷たい視線を感じる。なんで、私が追い詰められているの?
「そ、そうだ。ビルとビルの間に隠れることができるはず。複数のビルに囲まれていたんだから、隙間だっていっぱいあるもの」
「ビルとビルの間の隙間はほとんどないって云ったはずだよ」『ゲーマー』は冷静に反論してきた。「数少ない隙間も、とても狭かったのも云った……。空き地の周りのビルだってそうだし、来る小道でも同じだった」
「す、隙間女というもの存在するらしいよ」
「忍者の次は都市伝説? ……これだから、フィクションと現実を区別できない人間は困るわね」
『王様』は、辛辣な言葉を投げつけてきた。え、区別できていないのはそっちじゃないの?
「人の話にケチばかりつけて、あなたはどう思うの?」
「簡単に考えれば良いのよ」