むかしばなし その4
文字数 631文字
男が魔の山を登っていくと、急にあたりが暗くなりました。先ほどまで晴天であったのにも関わらず、夜よりも漆黒の闇が辺りに広がっています。
どうしたことだろうか? 男は首を傾げました。すると、目の前に炎が現れました。それは、火であるにも関わらず、まったく光も暖かさも感じない不思議がものでした。
「我は、この山に住む悪魔だ」炎から声が聞こえました。「お前は、どうして、ここにいる? もしかして、我を倒しに来たのか? それならば、愚かなことだ。この世で我ほど強い者は、どこにもいないのだ。我が右手を振れば病が街を覆うぞ。左手を振れば、嵐や地震が国を襲うぞ」
「いいえ、私はあなたを倒しにきたのではありません。あなたに教えを請いに来たのです。世界最強であるあなたを探していたのです」
「面白い男だ。数千年の中、お前のような男に会ったことがない」炎はより大きくなりました。「ならば、殺さないでおいてやろう。我の下僕として着いてくるが良い。我の強さを見せてやろうぞ」
そう云うと、炎は山を下ります。男はその後ろを着いていきました。
炎が街に来ると人々は逃げまどいます。王様の軍隊ですらも。誰も炎と対峙しようとしませんでした。炎の左手に触れるものは病で倒れました。右手で起こした嵐により家々は壊されていきます。何もかもが、炎の――悪魔の思いのままなのです。
「ああ、やっと、私は世界最強の人を見つけたのだな」
男は悪魔の姿を見て、感慨深く思ったのです。
どうしたことだろうか? 男は首を傾げました。すると、目の前に炎が現れました。それは、火であるにも関わらず、まったく光も暖かさも感じない不思議がものでした。
「我は、この山に住む悪魔だ」炎から声が聞こえました。「お前は、どうして、ここにいる? もしかして、我を倒しに来たのか? それならば、愚かなことだ。この世で我ほど強い者は、どこにもいないのだ。我が右手を振れば病が街を覆うぞ。左手を振れば、嵐や地震が国を襲うぞ」
「いいえ、私はあなたを倒しにきたのではありません。あなたに教えを請いに来たのです。世界最強であるあなたを探していたのです」
「面白い男だ。数千年の中、お前のような男に会ったことがない」炎はより大きくなりました。「ならば、殺さないでおいてやろう。我の下僕として着いてくるが良い。我の強さを見せてやろうぞ」
そう云うと、炎は山を下ります。男はその後ろを着いていきました。
炎が街に来ると人々は逃げまどいます。王様の軍隊ですらも。誰も炎と対峙しようとしませんでした。炎の左手に触れるものは病で倒れました。右手で起こした嵐により家々は壊されていきます。何もかもが、炎の――悪魔の思いのままなのです。
「ああ、やっと、私は世界最強の人を見つけたのだな」
男は悪魔の姿を見て、感慨深く思ったのです。