第6話 あ、愛?

文字数 425文字

 人間の存在は気分であるとか、すべては想念上に出来上がっているとか、理屈、論理?をつくる言葉は、なんと不都合な、役に立たない道具だろう。…と、言い切れるものでもない。その言葉を使って、何かを表現すようとしているのだから。しかし、一体何が表現できるだろう。ほんとうに、愛するということ。
 ほんとうに愛するということ。こう書いて、闇の中に一点、強い星の瞬きのようなものが煌めく。それは、実に、遠い。何光年? 何万光年先にあるだろう、などと、それを見て、おもう。
 すごく身近に感じながら、遠い。

 そんな距離が、そのまま、この文章と、これを書く自分自身との間に感じられる。もう、ムリだと不意に思う。いや、でもすぐそこだよ、すぐそこだよ、とも。
 確かなのに、不確かなもの。
 確かなのは、この自己の内側にある。内にあるのに、なぜ表現できないのかと思う。逡巡。ぐるぐる、衛星みたいに回る。
 主観的真実。体験的直観。

 花を、愛でる。小鳥を愛らしく想う。こんな感情も…
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