第7話 レビ記

文字数 758文字

概要

 レビ族は、この世の職業を持たず、神にのみ仕える宗教部族であり、モーセもモーセの兄であるアロンもレビ(びと)であった。レビ記には、祭司の仕事や生活上の教えである律法が書かれており、レビ人が幕屋や神殿に仕える職務を果たすための手引書のようなものであった。
 鈴木によれば、レビ記17章11節は血による(あがな)いというキリスト教信仰の基礎となる聖句と考えられているという。ここには、「生き物の命は血の中にあるからである。わたしが血をあなたたちに与えたのは、祭壇の上であなたたちの命の(あがな)いの儀式をするためである。血はその中の命によって(あがな)いをするのである。」と書かれているのだが、鈴木が「キリストの血は、全人類の罪をあがなって余りあります₁。」と信仰心を述べていることから、キリスト教では、この箇所をイエスの十字架による贖罪(しょくざい)に重ねて読むのであろう。

レビ記の本文

 レビ記には、(ささ)げもの、食べ物、性関係、出産、皮膚(ひふ)(びょう)、死刑等に関する規定が記されている。
 たとえば、不倫に関する規定につぎのようなものがある。「人の妻と姦淫(かんいん)する者、すなわち隣人の妻と姦淫(かんいん)する者は姦淫した男も女も共に必ず死刑に(しょ)せられる。」(レビ記20章10節)この規定がどの程度厳密に守られたのか知らないが、現代社会の基準からすると、非常に重い罰則規定である。
 また、次のような戒めも記されている。「祭司の娘が遊女(ゆうじょ)となって、身を汚すならば、彼女は父を汚す者であるから、彼女を焼き殺さねばならない。」(レビ記21章9節)これも現代人の感覚からすると重すぎる罰則規定に思える。




鈴木崇巨(2016)『1年で聖書を読破する』いのちのことば社 p.54

参考文献
鈴木崇巨(2016)『1年で聖書を読破する』いのちのことば社
共同訳聖書実行委員会(1987)『聖書 新共同訳』日本聖書協会
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