コヘレトの言葉　第九章十二節

　はじめてコヘレトの言葉を読んだとき、厭世的(えんせいてき)な印象を受けた覚えがあるが、ふと次の言葉を目にしたとき、腑(ふ)に落ちるような感覚を抱いた。

人は自分の時さえ知らない
不幸にも魚が網にかかり
鳥が罠にかかるように
突然襲いかかる災いの時に
人の子らもまた捕らえられる
－「コヘレトの言葉」９章₁

　この箇所がどのように解釈されてきたのか知らないが、人が魚や鳥のように捕らえられるように、突然不幸に襲われることがある、人間の生とはそのようなものだという考えは私の心に抵抗感なく了解された。


₁　それでも生きる 旧約聖書 「コヘレトの言葉」について語る 第3回 すべての出来事に「時」がある （原文と英訳 ⇒ https://mechon-mamre.org/p/pt/pt3109.htm）