■Starry Nightmare

文字数 445文字

 風当たりのいい窓辺。
 遮るものがないそこで、わたしは煙草に火をつけた。

 山手にある平屋。空には満天の星空。ここの利点はそれしか思いつかない。

 暫くすると、ぽつり、ぽつりと、星達が囁きだす。最初は朧気だったソレが、徐々に輪郭を現し、遂にはっきりと聞こえだす。

 将来を思い煩うな。
 今為すべきことを為せ。
 未来は既に始まっている。

 希望に溢れた声色で、星達は囁く。
 わたしはソレに手を伸ばしかけて、やめた。

 違う、違うのだ。
 そうではないのだ、絶対に。

 時は万物を運び去る。心までも。時の流れに沿って、ゆっくりと、けれど、確実に。

 だから、わたしは置いて行かれる。否定したソレに憧れるような、煩わしい気持ちだけ残して。

 酸素を貪る音が耳障りで仕方がない。
 燻らす煙草が、ジジッと音を立てた。

 嗚呼、わたしにとって星達の囁きは毒なのだ。



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■Twitter→@SRmafufu
■制作→2018/01/31
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