■仮にあの子が死んだとして

文字数 308文字

 もし、私の嫌いなあの子が死んだとして。
 私は内心で喜びながら、悲しそうなフリをするのでしょう。

「いい子だったのに」
「しっかりしてて、頼られてました」

 なんて、嘘を吐いて。

 でも、露骨に飾り立てるだけではつまらない。
 何かスパイスが足りないから、誰ともなく言いはじめるんだ。

「あの子、そういう所があるから……」
「裏目に出たんだよ、きっと」

 綺麗な言葉にはトゲがある。
 いつしかそれは返ってくる。

 そのことを知りながらも言葉を紡ぐ私達は、もう既に毒されているのかもしれない。



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■Twitter→@SRmafufu
■制作→2018/01/31
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