第8話 NPBの恨

文字数 824文字

NPBの恨=パ・リーグ最強説

 今年のNPB日本シリーズは、ソフトバンクが圧倒的な力で巨人を4-0の完全スイープで倒して二年連続の4-0で制した。

 私はこの光景を見て、「あれっ、これは?サッカー日韓戦に似ているな」と思った。ソフトバンクに限らず、パリーグの選手たちには何らかの「恨」があるように見えるからだ。

 パリーグの選手球団は、「人気のセ、実力のパ」と言われ続けて、実力の割に冷や飯を食わされることが多かった。

 川上監督が率いたV9時代の巨人、関西人気球団の阪神など取材につく記者団が群をなす傍らで、パリーグの球団選手は「ひっそりと咲く月見草」を自認してきた。

 パリーグの若手選手が、先輩方から「いいか、セリーグのチームには絶対負けるなよ。特に巨人にはなっ!」と言われ続けてきたことは想像にかたくない。

 韓国のサッカーチームも日韓戦になると血眼になって向かってくるが、彼らは監督コーチから「いいか、日本には絶対負けるなよ。日帝時代を忘れるな」と言われ続けて、「恨」が精神にしこりのように形成される。

 また、DH制を採用したことも野武士が多いパリーグには追い風になった。九番まで野手が入る事で、投手は気が抜けなくなりストライクゾーンで勝負するパワーピッチが多くなった。

 日本シリーズでソフトバンクのピッチャーが軒並み150km超のストレートをビシビシストライクゾーンに投げ込む様は、野球の原点を見るようで小気味良かったセ•ファンもいたであろう。

 レギュラーシーズンが終わると、ストーブリーグが始まる。巨人はまた、FA市場から有力選手を獲得するのであるが、主力選手を奪われた相手チームからはよく思われないし、また自軍の伸び盛りの若手だって「俺たちの将来が無くなった」と恨を生じかねない。

 原監督が指揮する巨人は、来年もセ界を制覇するだろう。しかし、何かを根本的に変えなければ、来年も日本シリーズでホークスにコテンパンにボコられるだろう。
 

 
 
 
 

 
 
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