第14話 日本の朝餉

文字数 417文字

日本の朝餉

日本の朝餉で、一番に想起されるのは浅利の味噌汁から立ち昇る暖かい湯気とその風味だ。
ワカメの味噌汁も同じような一種郷愁のようなものを感じさせるが、これは何故なのだろうか?
私の地元である関東は元より日本全国には縄文時代の遺跡が数多くあり、其処には貝塚なる物が存在し、遠い祖先が貝を貴重なタンパク源としていた事が伺える。
裏日本では、島根は宍道湖のシジミが有名だ。この地方は、日本海を隔たるとすぐに中国大陸であり、外国と古くから交易や文化交流のあった所だ。
東京は古えには江戸と呼ばれ、米ペリー提督が浦賀に来てから運命が劇的に変わった。其れから日本人が血の滲む様な想いをして欧米の文化を吸収アレンジしてきたのは周知の事実だ。
近年浅利などの貝類を飯に炊き込んだ深川飯が脚光を浴びるようになったが、これも何処か海に将来を託す、沖縄の「ニライカナイ」の様な思想が日本人の遺伝子の中に根付いているからではなかろうか。

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