第4話 敬称の色色

文字数 913文字

 人を呼ぶ時の敬称については、○○サン、○○クン、○○シなどがあるが、学術的な起源はおいといて、私は厳密に使い分けている。

 まず○○サンが一般的であるが、これは実は非常に特殊で、サンサンと太陽の如き光を放っている天然のスターなのである。

 小学校や中学校の同窓生の中で、スポーツ万能で勉強もオール5の矢鱈目ったら目立つ子がいなかっだろうか、これで性格もよく周りから好かれてる、そんな人は太陽の如きスターであり、○○サンなのである。

 芸能界で言えば、兄貴や姉貴と呼ばれる存在、古くは小林旭、加山雄三、石原裕次郎、吉永小百合などなど。

 野球界なら、ミスタージャイアンツの長嶋茂雄や王貞治、400勝の金田正一などなど、○○さんは数字の三か一がよく似合う。

 ○○クンは、薫風というように実力はさておいて先祖の余徳によって、何となーく生きている、食えている、いわば「先祖勝ち」「親の七光り」で有利なポジションを占めている人たちである。

 野球界で言えば、NKがひときわ有名である。オヤジがミスタープロ野球だったので、引退後も何となーくTV出演で飯を食っている。

 ○○シは、己の個人的な利益の為ではなく、崇高な理念や信心の為に一命を投げ捨てることができる、いわば現代の士、侍である。

 例えば、一人のうら若き娘が不良グループに絡まれていたとする。それを見て、「何やってるんだ、やめろっ!」と間髪入れずに発することが出来る、いわば命知らずの正義の人である。

 この手の人は、柔道や剣道など腕に多少の覚えのある人なのだが、彼我の戦力差を間違えて邪悪な勢力にボコボコにされることもある。

 たまに、四国や九州の田舎から出て来た人が、「貴殿は...」、「おぬしは...」、「そこもとは...」などと言うが、それらの人達は実家の土蔵に鎧兜がある地侍の末裔なのだろう。
 聴いていて何となく楽しい気分になる。

敬称ではないが、○○チャンのように愛称として使われているものがあるが、私の中では仕事をちゃんとこなす人に用いている。

 よって、歳上の先輩にも仕事ができる人には○○チャンと言ったりするのであるが、TPOを間違えると殴られたりするので注意が必要である。
 


 
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