exist1

文字数 1,013文字

目の前にある景色。
今は何合目くらいなのだろうか?
曲がりくねった道や一歩進むのも苦しいくらいの坂道、身を委ねてしまいそうになるような
ただただ綺麗な風景が続く道。
どれだけ歩いただろう。
いくつの山を超えたのだろう。
でもまだ頂上ではない。
果たして頂の景色はあるのだろうか?辿り着けるのだろうか?
ただひとつ言えるのは心地よく歩けるようになったという事。
景色を眺めながら、楽しみながら自分のペースで歩いている。
やっとここまで来たのだ。
私が素直になっていればもしかしたら違った道や景色に出会ったのかもしれない。
時間はかかってしまったけれど遠回りはしたけど、だからこそ見えた景色。
無駄だと思うこと、苦しい事もあったけれどそれこそが私の宝物。
いつ終わりを迎えるか分からない私の道。
頂への道はまだ続いている。
私はまた一歩踏み出す。
新しい景色に出会うために。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

私は海が見える田舎町に生まれた。
町?村だ。
まわりには同じ名前の人が沢山いるような田舎だ。
小さい頃は真っ暗になるまで外で走り回っているようないわゆる田舎の子供だった。
いつからだろう?
人と接するのが苦手で、周りの顔色を伺い自分の思いを感情を押し殺すようになっていた。
保育園に通うようになった頃からかな?
両親の仕事の関係もあり、お迎えはいつも祖母。
何処に行くのも祖母と一緒だった。
祖母の事は大好きだったけど、いつもわざわざ電車に乗ってまで来てくれる祖母に
わがままは言えなかった。
両親と出掛けた記憶などほとんど無い。
休みの日になると周りの子が羨ましくて仕方がなかった。
でも、仕事をしている両親にもわがままは言えなかった。
だからといって特にこれといって何もなく、ただ平凡に毎日が過ぎていると思っていた。

卒園、近くの小学校に入学し、いつもと同じ生活。
変わったのは祖母が迎えに来る事がなくなった事。
学年が上がるにつれ感じたのは、周りの女の子と服装や持ち物が違うという事。
なんとなく、なんとなくだけど女の子達に馴染めなくなっていった。
無理して合わせるようになっていった。
その頃からかな…
思っている事を、言いたい事を言えなくなったのは。
いわゆる“いい子ちゃん”の私はその頃から始まっていた。
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