exist3

文字数 1,061文字

私中学校生活といえば部活。
友達に誘われて行ったクラブ見学。最初はそんなに興味があった訳ではなかったが、
なんとなく、流れなのか半ば押し切られるようにして入部届けを出した。
最初は体力もなく、身体も細かった私には辛い日々が続いていたが、そんな私にも
目標?憧れの先輩が出来た事で少しずつ変わっていった。
運動量が増えた事で食べる量も増え、比例するように体重も増え入部当時の私の姿は
どこにもない。
それなりには上達もした。
憧れの先輩にも褒めてもらえるようにもなった。
でも、やっぱり私は人付き合いが苦手で、上手く仲間には入れないまま時間だけが
過ぎた。
感情を表現出来ず、本音で話せる相手はなかなか居なかった。
それなりに好きな人も出来た。
チームのみんなにも本音で話す事は出来なかった。
それなりに好きな人も出来た。
勇気を振り絞ってチョコレートを渡した事もあった。
実ることはなく、片想いのままいつの間にかその感情さえなくなっていたのだ。
ルックス重視だった私はその相手を引きずる事も、のめり込む事もなく時間だけが
ただ過ぎ、何事もなかったかのように普通だった。
先輩達が卒業して行き自分達が中心になった時でさえ仲間になりきれずにいた。
結局誰にも心を開く事が出来ないまま卒業を迎えた。
そして私は公立高校に進んだ。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

高校でもクラブは続けていた。
でもやっぱり仲間になりきれず、いわゆる“イジメ”みたいな事もあり結局私はクラブを
辞めてしまった。
学校に行くのも苦痛になりかけたそんな時、私を変えてくれた大切な出会いがあった。
真っ暗ではなかったけど、薄暗くて、出口が見えないトンネルの中を歩き続けていた
私の前にようやく光が差し込んだ。
でも、その時私は悩んだりもした。“大丈夫かな?また辛くならないだろうか?”
気が付けばそんな思いはどこかへいっていた。
私にはやっと居場所が出来た。
クラブの事も、イジメの事も、その他もろもろ全部知った上で気が付けば私の側にいてくれた。
ひとりから2人、私の居場所は広がっていった。
いい事も悪い事もいつも一緒。
周りがどうとかじゃない、自分達の思いに真直ぐな仲間達に私は引っ張られるように
笑えるようになっていた。
目の前には様々な色が広がる景色があった。
私は薄暗くて、長く続いたトンネルを抜けた。
今ある景色へ続く道の一歩を踏み出した。






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