exist4

文字数 969文字

私は初めての恋もした。今度は本当の恋。
2年生になってから同じクラス、私を変えてくれた仲間のひとり。
一緒にいる事が楽しい、嬉しいの感情に恋心が加わった。
彼はちょっと変わり者で頑固なところはあるけど、ちょっと背も低かったけど、
とても頭のいい自由人って感じの人。
本当に自分の思いに真直ぐで、臆せず意見もハッキリ言う。
やりたいと思った事には全力で、キラキラ目を輝かせてた。
そんな彼の側にずっと居たい、隣に居たいと思うようになっていった。
でも、やっぱり自分から告白する勇気もなく、ダメだった時に今の関係が崩れてしまう
事が怖くて言い出せないまま過ごした。
それでも私は彼の側で笑っていられるその時間が幸せだった。

そんな私の特別な日。
私はあの日の事を忘れない。
いつもと同じ帰り道、違ったのは落ち着かない様子の彼。
バス停で彼はカバンから袋を取り出し私にくれた。
「帰ってから開けて」
私はうなずきバスに乗った。
彼はいつも自分の好きな曲を編集したCDをくれたりしていたので私は“どうして帰ってから”
と思いながらも袋は開けずに家に帰った。
家に帰った私は袋を開けた。
そこにはやっぱりCD。後もう一つ、手紙が入っていた。
彼らしい手紙。誠実で一生懸命な言葉が綴られていた。
私は泣いた。最後の「好きだよ」の文字がかすんで見えないくらい泣いた。
嬉しくて、嬉しくて涙が止まらなかった。
CDもかけた。また涙が止まらなくなった。
CDを聴き終えた私は呼吸を整えて彼に電話をかけた。
いつも電話していたのに、今日は何故だかお互いぎこちない。
緊張しながらも私は「私も好きだよ」と彼に言う事が出来た。

その日からまた、見える景色が変わっていった。
恋をして見える景色。
初めて見える景色が広がった。
片想いも恋、両想いも恋。でも、2人だから見える景色がある事を私は初めて知った。
いい事も、悪い事も教えてくれた仲間。
仲間から恋心へ、恋心から恋人へ感情は変化した。
周りの友達はそれに気付いていても関係性は変わらない。
そんな友達に、仲間に出会えたからこそ私は一歩踏み出せた。
心の窓をひとつ開ける事が出来た。
自分の選んだ道が正解なのかどうかはまだ分からない。
でも私は仲間と歩く道、恋人と歩く道から見える景色が大好きだった。

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