第11話 謎のカウンセラー
文字数 1,035文字
ケインはシャロンを常に心配している。
薬の事もあるし、精神的にまだ揺らいでいるうえに教団に潜入させた。スティーブンたちも、シャロンが洗脳されてはないかと気になっていた。
「シャロン、大丈夫か?セラピーを受けたらどうだ?」
「そうだよ。儀式も怪しいものだったんだろ?」
スティーブンも心配している。
「大丈夫よ。二人は張り込み中なの?」
今日の張り込みはステュアートとマリアなので事務所にはいない。
「そうよ」
「私、まだ何も探れていないから、もっと突っ込んでみるわ」
「だめだ。今日は帰れ。明日また、教団に顔を出してくれ。指示は俺がする」
ケインはシャロンを気遣った。
「え、ええ、そうするわ」
今日はみんなの意見を尊重した。
帰り支度を終え、なぜか、シャロンは駅には向かわず、無意識に大通りを抜けて路地へ入っていった。考え事が多すぎて自分を見失いそうになっていた。
一本道を外れただけで、人通りはなく、物静かな物騒なエリアになる。夜ともなれば尚更だ。薬を求め薬局に向かっていたような気がしていたが、どこをどのように歩いてきたのか曖昧だ。ただ導かれるように歩き続けた。
「あなた、こちらへ入りなさい!」
シャロンは急に右腕を強く引っ張られた。
六十歳を過ぎたであろう太った派手な服を着た女性が、シャロンを家の中へ引きづりこんで椅子に座らせた。
「あなた、疲れているわね。過去にとらわれて。以前に薬もやっていたわね」
じっとシャロンの顔を見ている。
「そうねぇ。捜査官ってとこね。それも特別な。そう、優秀な捜査官だわ。見える。でも何か悪いものに洗脳されつつあるわね」
シャロンはすっと血の気が引いた。まるで素っ裸にされているように心を読まれている。
「私はミラー。自称、カウンセラー。あなたは?」
「特別捜査官のシャロン」
嘘をつく気もない。もうすでに見透かされている。
「シャロン.....」
やっと意識が正常になってきた。周りを見渡すがカウンセラーの部屋には見えない。落ち着いた部屋なのに、謎の文字が壁一面に書かれていた。見たこともない文字だ。
「なんでも話して。気が楽になるから」
名刺を差し出した。
「ええそうね。また今度来るわ。ありがとう」
見知らぬ人に簡単に心を許すほど今のシャロンには心の余裕がない。すっと立ち上がって部屋を出た。
「必ずあなたは、また来るわ。きっと」
「それと、あなた過去に違う世界へ行ったことない?」
シャロンは背中越しに聞いたその言葉は不思議と違和感を感じなかった。
薬の事もあるし、精神的にまだ揺らいでいるうえに教団に潜入させた。スティーブンたちも、シャロンが洗脳されてはないかと気になっていた。
「シャロン、大丈夫か?セラピーを受けたらどうだ?」
「そうだよ。儀式も怪しいものだったんだろ?」
スティーブンも心配している。
「大丈夫よ。二人は張り込み中なの?」
今日の張り込みはステュアートとマリアなので事務所にはいない。
「そうよ」
「私、まだ何も探れていないから、もっと突っ込んでみるわ」
「だめだ。今日は帰れ。明日また、教団に顔を出してくれ。指示は俺がする」
ケインはシャロンを気遣った。
「え、ええ、そうするわ」
今日はみんなの意見を尊重した。
帰り支度を終え、なぜか、シャロンは駅には向かわず、無意識に大通りを抜けて路地へ入っていった。考え事が多すぎて自分を見失いそうになっていた。
一本道を外れただけで、人通りはなく、物静かな物騒なエリアになる。夜ともなれば尚更だ。薬を求め薬局に向かっていたような気がしていたが、どこをどのように歩いてきたのか曖昧だ。ただ導かれるように歩き続けた。
「あなた、こちらへ入りなさい!」
シャロンは急に右腕を強く引っ張られた。
六十歳を過ぎたであろう太った派手な服を着た女性が、シャロンを家の中へ引きづりこんで椅子に座らせた。
「あなた、疲れているわね。過去にとらわれて。以前に薬もやっていたわね」
じっとシャロンの顔を見ている。
「そうねぇ。捜査官ってとこね。それも特別な。そう、優秀な捜査官だわ。見える。でも何か悪いものに洗脳されつつあるわね」
シャロンはすっと血の気が引いた。まるで素っ裸にされているように心を読まれている。
「私はミラー。自称、カウンセラー。あなたは?」
「特別捜査官のシャロン」
嘘をつく気もない。もうすでに見透かされている。
「シャロン.....」
やっと意識が正常になってきた。周りを見渡すがカウンセラーの部屋には見えない。落ち着いた部屋なのに、謎の文字が壁一面に書かれていた。見たこともない文字だ。
「なんでも話して。気が楽になるから」
名刺を差し出した。
「ええそうね。また今度来るわ。ありがとう」
見知らぬ人に簡単に心を許すほど今のシャロンには心の余裕がない。すっと立ち上がって部屋を出た。
「必ずあなたは、また来るわ。きっと」
「それと、あなた過去に違う世界へ行ったことない?」
シャロンは背中越しに聞いたその言葉は不思議と違和感を感じなかった。