第11話
文字数 447文字
その出来事をきっかけに、彼らは歪な関係を深めていった。
たかひろは加虐的な欲求が高まると、夜中であろうと堀木のマンションに押しかけ、凌辱の限りを尽くした。
堀木はたかひろのことを恋人のように接し、愛したいという気持ちでいたものの、彼の欲求を全て叶えてやりたいと思うあまり、為すがままにされていた。
そして次第にたかひろの肉体に溺れ、彼に乱暴に抱かれたいと思うようになっていった。
抱きたい、けれど抱かれたいという相反する欲望が常に体の中で渦巻き、それが満たされたとき、この上ない幸福を感じるのだった。
そして、たかひろは、自分の嗜好が堀木以外の誰にも理解されないのではないかという不安と、己の嗜好を恋人にはひた隠しにして男同士で浮気している、という罪悪感が常に渦巻いていた。
その一方で男同士で抱いては抱かれるという背徳感が彼を興奮へと導き、より一層燃え上がらせた。
堀木に対しては恋人とは全く違う顔を見せ、そしてそれを全て受け入れられることで驚くほど恋人に優しくなれるのだった。
やがて、たかひろは結婚した。