第五回 Sing a Song of Sixpence

文字数 798文字

Sing a song of sixpence,
A pocket full of rye.
Four and twenty blackbirds,
Baked in a pie.

When the pie was opened
Birds began to sing;
Was’t that a dainty dish
To set before the king.

The king was in his counting house,
Counting out his money;
The queen was in parlour,
Eating bread and honey.


夜が明けるぞ 夜が明けるぞ
鐘を鳴らせ 鐘を鳴らせ
マイナデスが酒杯を振るう
道々に人が溢れる
戴冠式だ 戴冠式だ
女王万歳 女王万歳

ここは古代帝国の跡地
前王が遺した美しい王女を
東の公国が攫ったのだ
婚姻によって継承した新王は
貞節を欺き妃を閉じ込めた

我らの法を 我らの神を
我らが育てたこの土地をよくも よくも
帝国の誇りを 一族への忠誠をよくも よくも
踏み躙ったな異国の簒奪者よ

時は来た
帝王を名乗らんとするあの不実の男の
はれの日に扉は開かれた
鉄格子の向こうから夜毎ないていたナイチンゲール
王女は騎士たちを呼び戻した

ブーディカのように黄金の斧をかざし
二十四人の忠義の士を引き連れ
王女は飾り立てられた王宮を紅く染め上げた
いやはやまったく、アネモネが
一斉に咲いたかのようではないか!

“その冠は我らのもの
その言葉は全能の神のもの
お前が愛と王権を秤にかけなければ
こんなことにはならなかったろうに
愚かな 哀れな 憎い 憎い 私の伴侶“

今度こそ正しいものが王になるのだ
英雄譚はいつもこうして終わるのだ
我らの娘に豊穣を
帝国の正統は守られた
女王万歳 女王万歳
血塗られた正義に祝杯を!


*マイナデス:デュオニソスの信女
*ブーディカ:ローマ帝国と戦った古代ケルトの女王
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