『ゲット・アウト』 トランプ大統領へのメッセージか【70点】

文字数 1,079文字

【あらすじ】




「パラノーマル・アクティビティ」「インシディアス」「ヴィジット」など人気ホラー作品を手がけるジェイソン・ブラムが製作し、アメリカのお笑いコンビ「キー&ピール」のジョーダン・ピールが初メガホンをとったホラー。


 低予算ながら全米で大ヒットを記録し、第90回アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞の4部門にノミネートされ、脚本賞を受賞した。


 アフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、白人の彼女ローズの実家へ招待される。


 過剰なまでの歓迎を受けたクリスは、ローズの実家に黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚えていた。その翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティに出席したクリスは、参加者がなぜか白人ばかりで気が滅入っていた。


 そんな中、黒人の若者を発見したクリスは思わず彼にカメラを向ける。


 しかし、フラッシュがたかれたのと同時に若者は鼻から血を流し、態度を急変させて「出て行け!」とクリスに襲いかかってくる。




【因幡さんの映画語り】




 脚本のジョーダン・ピールはアメリカで有名な黒人コメディアンだ。


 主に黒人差別を扱ったブラックジョークを得意としている。


 たとえば、『黒人は罪もないのに身分証明書を求める』『黒人は肉体が強いから残虐なファイターである』『黒人はとりあえず兄弟と言っとけばいい』などなど。


 この映画では、見たことも付き合ったこともない人種に対する畏怖、白人は黒人を珍獣のような目で見ているということが、わかりやすく描かれている。


 


 黒人であるクリスは、白人のローズと付き合っていた。


 ローズの実家に向かう途中、突然鹿が車のフロントガラスに当たってくる。


 実家に到着、白人であるローズの家族は、黒人である彼氏を見るなり口調や態度を変えていた。


 夜、クリスはローズの母親から奇妙な催眠を受ける。


 クリスは同じ黒人たちの使用人に話しかけるが、彼らから敵意のようなものを感じる。


 ローズの親戚たちが集まりパーティが開始される。


 クリスはパーティに参加している見覚えのある黒人に、ついカメラのフラッシュを当てると、急に涙を流し、「ここから出て行け!」と言われる。


 ショックを受け、クリスとローズがパーティから脱退していると、親戚たちはクリスの写真に向かって、ビンゴゲームをしていた・・・。


 


 ホラー特有の陰惨さやグロさはなく、どちらかというと、サスペンス、ミステリーに分類される。


 黒人ならではの『あるある差別ネタ』がまんさいだ。


 この世界は平等ではないという言葉は、他民族国家ならではの疼きなのかもしれない。




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