九 伴侶はマコ

文字数 500文字

 正午近く。
 古田和志の電話で目が覚めた。俺とマコは抱きあったままベッドで眠っていた。
「亮。TVのニュースを見ろ!玲奈が殺人未遂の現行犯で逮捕されたぞ」
 俺は携帯をスピーカーモードにしてTVのリモコンでスイッチを入れた。三田中の愛人の玲奈が青酸カリ入りのジュースを新井慎司の病室に持ちこんで逮捕されたと報じている。これで三田中の収賄事件がいっきに解明される・・・。

「捕まったわね・・・」
 マコが目覚めて俺に抱きついた。俺はマコを抱きしめて古田に言った。
「玲香はどうしてる?」
「母親の行動を納得してる。今、俺とベッドにいる。玲香は三田中と母親が何をしてたか知ってた・・・」

 古田の言葉で、俺とマコは玲香の状況を察した。
「古田はこれから玲香をどうするんだ?」
「支えてやるよ。亮もまり子を支えるんだろう?」
「ああ、マコもここに居る。結婚することにした。古田もか?」
「そういうことだ」
「今回も、ありがとう。感謝してる。玲香にも、よろしく言っといてくれ」
「玲香は承知してる。気にするな。
 では、午後、カウンセリングルームで」
 通話は切れた。

「アアアッ、リヨ。ありがとう!」
 俺はマコに抱きつかれた。

(三章 了)
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